実体験に基づく脳神経ならびに心臓活動の光学的計測器機開発史の研究
神経細胞や心筋細胞の電気活動を測定する方法として, 現在でも電極を用いる電気生理学的手法がその主流であることはいうまでもない. 特に, 微小電極法の導入は心筋細胞や神経細胞の電気生理学に今日の隆盛をもたらし, さらにパッチ記録法の開発で, 電極法は一個のイオンチャネルを捉えるところまできている. しかしながら, どのような研究法, 実験技術にも適用限界があるのは“自然科学における一つの原理”であり, 従来の電極を用いた電気生理学的方法もそれを避けることはできない. 微小電極を適用しようとする場合, 細胞が電極の刺入に耐え得るほどの大きさをもち, また機械的強さを持っていることが前提となる. ま...
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Veröffentlicht in: | 医科器械学 1999/06/01, Vol.69(6), pp.253-261 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 神経細胞や心筋細胞の電気活動を測定する方法として, 現在でも電極を用いる電気生理学的手法がその主流であることはいうまでもない. 特に, 微小電極法の導入は心筋細胞や神経細胞の電気生理学に今日の隆盛をもたらし, さらにパッチ記録法の開発で, 電極法は一個のイオンチャネルを捉えるところまできている. しかしながら, どのような研究法, 実験技術にも適用限界があるのは“自然科学における一つの原理”であり, 従来の電極を用いた電気生理学的方法もそれを避けることはできない. 微小電極を適用しようとする場合, 細胞が電極の刺入に耐え得るほどの大きさをもち, また機械的強さを持っていることが前提となる. また, 心臓や中枢神経系のような多細胞系, すなわち細胞集合体レベルでの機能解析では, 多数個の細胞とか多数箇所の領域からの電気活動を同時記録する必要性にせまられる. これは, 従来の電気生理学的方法の適用限界をはるかに超えている. このような従来の電気生理学的方法の適用限度を補う方法として, 最近, MRI, PET, SQUID, ^^14 C-デオキシグルコース法などいくつかの計測方法や計測機器が開発されてきたが, 光学的計測システムもそのひとつとして開発され, 発展してきた. ここでは神経系や心臓の興奮活動の光学的計測方法/計測システムの開発について, 筆者の実体験に沿って歴史的展望を試みる. |
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ISSN: | 0385-440X 1881-4875 |
DOI: | 10.4286/ikakikaigaku.69.6_253 |