職員鼻前庭における黄色ブドウ球菌の保有状況及び除菌方法別効果について

〔目的〕黄色ブドウ球菌は, 院内感染の感染源の一つとして医療従事者の鼻前庭保菌が指摘され重要視されている. 我々も当院における院内感染予防対策の一環として職員鼻前庭保菌調査と除菌に取り組み, 平成2年12月より, 平成9年6月迄計12回, 延人数5,478名実施している. 今回これらの成績を報告する. 〔検査方法〕材料は咽頭用スワブ(シードスワブ1号)を用いて左右鼻前庭から別々に採取した. 分離培地はエッグヨーク寒天培地(栄研)を使用し, 37℃48時間培養後コアグラーゼ試験で同定を行った. MRSAの判定はオキサシリンのディスク判定(K-B法)により行った. 検査実施年・月(人数)は, (1...

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Hauptverfasser: 片井敦雄, 広瀬 栄, 田中米子, 山沢 亨, 永井 勲
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:〔目的〕黄色ブドウ球菌は, 院内感染の感染源の一つとして医療従事者の鼻前庭保菌が指摘され重要視されている. 我々も当院における院内感染予防対策の一環として職員鼻前庭保菌調査と除菌に取り組み, 平成2年12月より, 平成9年6月迄計12回, 延人数5,478名実施している. 今回これらの成績を報告する. 〔検査方法〕材料は咽頭用スワブ(シードスワブ1号)を用いて左右鼻前庭から別々に採取した. 分離培地はエッグヨーク寒天培地(栄研)を使用し, 37℃48時間培養後コアグラーゼ試験で同定を行った. MRSAの判定はオキサシリンのディスク判定(K-B法)により行った. 検査実施年・月(人数)は, (1)H2.12(103) (2)H3.4(298) (3)H3.8(252) (4)H4.2(256) (5)H4.7(535) (6)H4.12(579) (7)H5.4(556) (8)H5.10(568) (9)H6.5(595) (10)H7.6(502) (11)H8.7(602) (12)H9.6(603)の計12回, 延人数は5,478名行った. 〔除菌法〕1.FOM散布 FOMに感受性の保菌者には, FOMの注射用製剤を20mg/mlの濃度に調製し点鼻容器を用いて両鼻腔に3回ずつ朝夕2回3日間散布を1クールとし, 1回目から11回目迄実施した. 2.Mupirocin軟膏 5回目のMRSA保菌者と, 5回目以降のFOM耐性対象者はMupirocin軟膏を使用し, 1日3回3日間の塗布を1クールとした. 3.イソジンゲル イソジンゲルを1日3回3日間を1クールとし, 11回目の保菌者全員に実施した. 各除菌結果の採取時期は, FOM散布とイソジンゲルは治療最終後翌日から1週間以内に1回, Mupirocin軟膏では翌日と1週間後の2回(治験含)に亘って検索した. 〔結果〕第1回から12回迄の陽性率(MSSA%:MRSA%)は, (1)(32.0:14.6) (2)(25.2:7.4) (3)(25.4:4.4) (4)(19.5:4.3) (5)(16.3:3.6) (6)(17.1:2.6) (7)(12.4:2.0) (8)(22.4:2.3) (9)(16.5:2.4) (10)(18.7:1.4) (11)(22.7:2.4) (12)(22.4:2.4)であった. 方法別による鼻前庭除菌の成績は, FOM散布とMupirocin軟膏は, 1クールで80%を超す成績であったが, イソジンゲルは1クールで24.4%であった.
ISSN:0385-440X