検体前処理搬送システムTPS-600の特徴と改良(<特集>ラボラトリー・オートメーションシステム)

ここ数年, 検査室をとりまく環境は大きく変化している. 経済的には検査点数の引き下げによる採算の悪化, 労働面からは検査件数と検査項目の増加による負荷の増大が挙げられる. これに対して病院からは, 職場の縮小につながる検査の外注化, 労働負荷の増大になる人員増の抑制, および作業環境の悪化になるエリア拡張抑制などが要求されている. さらに患者や医師からはサービス向上が要求されている. 例えば検査報告の迅速化, 24時間検査の実施, および検査精度の向上などである. 検査室にとってこの厳しい環境に対応するため, 従来の意識にとらわれず, 新しい視点から自動化・省力化, および迅速化を実現するため...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医科器械学 1997/12/01, Vol.67(12), pp.580-584
1. Verfasser: 諏訪, 良昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ここ数年, 検査室をとりまく環境は大きく変化している. 経済的には検査点数の引き下げによる採算の悪化, 労働面からは検査件数と検査項目の増加による負荷の増大が挙げられる. これに対して病院からは, 職場の縮小につながる検査の外注化, 労働負荷の増大になる人員増の抑制, および作業環境の悪化になるエリア拡張抑制などが要求されている. さらに患者や医師からはサービス向上が要求されている. 例えば検査報告の迅速化, 24時間検査の実施, および検査精度の向上などである. 検査室にとってこの厳しい環境に対応するため, 従来の意識にとらわれず, 新しい視点から自動化・省力化, および迅速化を実現するために, 前処理業務と分析業務および後処理業務の全自動化(total laboratory automation:TLA)を国立大学病院を中心に試みてきた. そしてTLAは初期段階としては, それなりに期待に応えてきたが, さらに発展し, 中小医療施設まで普及するには, TLAのなかで経験の少ない前処理業務を自動化した検体前処理搬送システムの問題点(諏訪が指摘)を解決する必要がある. 例えば, 機械的には小形化・高速化であり, システム全体ではインテリジェンス性を持った大型分析装置として完全な自動化と融通性であり, 価格的にはより一層のコストダウンが必要である. 1995年に開発した東芝の新検体前処理搬送システムTPS-600は, 検体1本単位搬送方式のメリットを最大限に生かしたリアルタイム搬送システムで, 問題点をできる限り解決した斬新で画期的な検体前処理搬送システム(以下, 搬送システム)であることを報告する. また製品として納入した結果さらにブラッシュアップした内容についても報告する.
ISSN:0385-440X
1881-4875
DOI:10.4286/ikakikaigaku.67.12_580