バイオポンプを用いた体外循環下肝切除

1992年よりBio-Pumpを使用した体外循環を肝臓外科に応用してきた. 症例は肝細胞癌5例, 転移性肝癌2例, 肝海綿状血管腫1例, 肝部下大静脈損傷を伴う最重症型肝損傷1例, 下大静脈血栓を伴うBudd-Chiari症候群1例, 肝腫瘍に対して肝切除を行った8例は3区域切除2例, 拡大右葉切除5例, 右葉切除1例である. 肝損傷は中央2区域切除と肝部下大静脈の修復を行った. Budd-Chiari症候群では下大静脈切開による直達術を行った. Bio-Pumpを使用した体外循環回路はV-V byPass+P-V 6例, P-V bypassのみ1例, F-F bypassはBudd-Chi...

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Hauptverfasser: 高野靖悟, 河野 悟, 高橋知秀, 三木敏生, 大石 均, 須田清美, 岩井重富, 田中 隆
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1992年よりBio-Pumpを使用した体外循環を肝臓外科に応用してきた. 症例は肝細胞癌5例, 転移性肝癌2例, 肝海綿状血管腫1例, 肝部下大静脈損傷を伴う最重症型肝損傷1例, 下大静脈血栓を伴うBudd-Chiari症候群1例, 肝腫瘍に対して肝切除を行った8例は3区域切除2例, 拡大右葉切除5例, 右葉切除1例である. 肝損傷は中央2区域切除と肝部下大静脈の修復を行った. Budd-Chiari症候群では下大静脈切開による直達術を行った. Bio-Pumpを使用した体外循環回路はV-V byPass+P-V 6例, P-V bypassのみ1例, F-F bypassはBudd-Chiari症候群1例に適応した. これら10例を経験することでいくつかの問題点について対処してきたので報告する. 1)術中低体温の防止:体温は0.6℃から1.8℃まで低下した. 低体温は術中出血量を助長するため, 上/下肢をアルミ箔で巻き, 体外回路をできるだけ短くした. 2)挿管カテの問題:大伏在静脈より右側大腿静脈を使用したほうがカテ(23Fr. Carmed, Medtronic Bio-Medicus製)が挿入しやすい. 3)ヘパリン使用の問題点:出血量は多くなり, 現在はヘパリンは使用していない. さらに回路もnone heparin coating tubeで問題はない. 4)Bio-Pump:作動時間は35分から最高117分であるが, 術後の肝機能も良好であった. 5)全肝遮断時の肝細胞保護:in situ cold perfusion(4℃ラクテートリンゲル, 最近は内皮細胞保護の観点からFOYを使用)と肝表面をice slushで冷却した.
ISSN:0385-440X