過酸化水素 : 低温プラズマ滅菌器内に生成するラジカル数の概算法に関する研究

過酸化水素のプラズマ放電によって発生するラジカルによる滅菌処理法は従来の酸化エチレン(EOG)のような残留毒性あるいは爆発の危険性もない. また, 放射線滅菌法のような大掛かりな装置も必要ない. したがって, 今後の汎用性のある滅菌法として注目されつつあり, 本法の滅菌効果については古橋らの指標菌を使用しての詳細な報告がなされている. しかし, 最近の著者らの検討では医療用具の素材によって滅菌効果がことなることも認められている. この事実は本法を臨床現場で施行する際には重要な留意点である. さらに, その滅菌効果の根源となるラジカルの挙動についても滅菌機序を考察する上で明らかにされなければなら...

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Veröffentlicht in:医科器械学 1996/01/01, Vol.66(1), pp.15-22
Hauptverfasser: 高島, 征助, 新, 太喜治, 加見谷, 将人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:過酸化水素のプラズマ放電によって発生するラジカルによる滅菌処理法は従来の酸化エチレン(EOG)のような残留毒性あるいは爆発の危険性もない. また, 放射線滅菌法のような大掛かりな装置も必要ない. したがって, 今後の汎用性のある滅菌法として注目されつつあり, 本法の滅菌効果については古橋らの指標菌を使用しての詳細な報告がなされている. しかし, 最近の著者らの検討では医療用具の素材によって滅菌効果がことなることも認められている. この事実は本法を臨床現場で施行する際には重要な留意点である. さらに, その滅菌効果の根源となるラジカルの挙動についても滅菌機序を考察する上で明らかにされなければならない事項であるにもかかわらず, それが連鎖反応であり, 定量的な取り扱いは不可能という観点からほとんど検討がなされていない. そこで著者らは特殊な装置あるいは試薬を使用することなく滅菌器内のラジカル量を推定する方法について検討した. さらに, 簡単なシミュレーションによって過酸化水素から生成するラジカルと試薬との反応について若干の知見を得たので, これらの事柄について報告する.
ISSN:0385-440X
1881-4875
DOI:10.4286/ikakikaigaku.66.1_15