(23)電気メスのメス先電極素材の臨床応用に関する研究

電気メスは高周波電流(radio frequency)をメス先電極と対極板に通電することで, 生体組織の切開や凝固を行うことのできる極めて汎用性のある手術用ME機器である. 電気メス対極板は, 古くは鉛板・ステンレス板などの金属板材が用いられていたが, 今日ではディスポーザブル製品の普及に伴って熱傷防止を考慮するため柔軟性の高い全面粘着型ディスポーザブル対極板の使用が主流となってきた. 一方, 電気メスのメス先形状に関しては切開・凝固の作用が効果的に働くよう様々な形状が考えられたが, メス電極の素材に関しては耐熱性・通電性・耐食性などの点でステンレス素材に上回るものが開発されていない. 今回我...

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Veröffentlicht in:医科器械学 1994/04/01, Vol.64(4), pp.202
Hauptverfasser: 酒井, 順哉, 吉中, 平次, 大山, 勝, 住谷, 健二, 根本, 喬
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:電気メスは高周波電流(radio frequency)をメス先電極と対極板に通電することで, 生体組織の切開や凝固を行うことのできる極めて汎用性のある手術用ME機器である. 電気メス対極板は, 古くは鉛板・ステンレス板などの金属板材が用いられていたが, 今日ではディスポーザブル製品の普及に伴って熱傷防止を考慮するため柔軟性の高い全面粘着型ディスポーザブル対極板の使用が主流となってきた. 一方, 電気メスのメス先形状に関しては切開・凝固の作用が効果的に働くよう様々な形状が考えられたが, メス電極の素材に関しては耐熱性・通電性・耐食性などの点でステンレス素材に上回るものが開発されていない. 今回我々は, 電気メスのメス先電極として, ステンレス表面をテフロンでコーティングしたメス先電極(メガチップR0012, Mega Dyne), ニオブ素材のメス先電極(ブレード型電極E1554, Valleylab), 銀三元合金を素材とするメス先電極(試作品, 瑞穂医科工業)を使った際の臨床面での評価を行った. 評価方法は, (1)各種メス先電極素材の電気的特性の比較 (2)同一形状の各種メス先電極を用いた切開・凝固性能の比較 (3)組織炭化物のメス先付着程度の比較 (4)再生使用における問題点などである. 本研究により, 各種メス先電極素材は臨床面においてそれぞれ異なる長所と欠点を認めたのでここに報告する.
ISSN:0385-440X
1881-4875
DOI:10.4286/ikakikaigaku.64.4_202_1