研究開発後, 5年を経過した人工心肺装置の評価と今後の方針(第6回臨床工学研究会)
われわれは1989年に, 狭い手術室での使用や, あるいはカテ室・ICUなどでの緊急体外循環にも対応でき, 移動設置が容易である事などを開発目標として, 冷温水槽・心筋保護・限外濾過などの装置を組み込んだ, 冷温水槽内蔵コンポーネントタイプ人工心肺装置を開発製作した. 以来, 臨床例を重ねてきたが, 今回はその評価と今後の方針を報告する. 【仕様】脱血は落差方式を前提とし, 送血ポンプには直径150mmのローラーを採用, ベントポンプ, 吸引ポンプ, 心筋保護液注入ポンプおよび限外濾過ポンプには直径120mmのローラーを採用した. 冷温水槽は本体ベース部分に組み込んだ. 冷水槽は人工心肺および...
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Veröffentlicht in: | 医科器械学 1994/01/01, Vol.64(1), pp.38 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | われわれは1989年に, 狭い手術室での使用や, あるいはカテ室・ICUなどでの緊急体外循環にも対応でき, 移動設置が容易である事などを開発目標として, 冷温水槽・心筋保護・限外濾過などの装置を組み込んだ, 冷温水槽内蔵コンポーネントタイプ人工心肺装置を開発製作した. 以来, 臨床例を重ねてきたが, 今回はその評価と今後の方針を報告する. 【仕様】脱血は落差方式を前提とし, 送血ポンプには直径150mmのローラーを採用, ベントポンプ, 吸引ポンプ, 心筋保護液注入ポンプおよび限外濾過ポンプには直径120mmのローラーを採用した. 冷温水槽は本体ベース部分に組み込んだ. 冷水槽は人工心肺および心筋保護液の冷却を兼用させた. また温水槽は1.5kwのヒーターを採用した. 電源は冷温水槽部とポンプ部を分離独立させた. 【結果】本装置は主に冠状動脈バイパス術に使用したが数例とカテ室やICUでの緊急手術にも使用した. 主に使用した手術室は心臓外科手術室としてはやや狭かったが, IABP・血液透析装置の併用時にも装置間に十分なスペースがとれ良好であった. また操作パネルが一望でき操作性にも優れていた. 【考察】本装置は冷温水槽, 心筋保護液注入ポンプ, 限外濾過ポンプを小型一体化する事でスペースに制限がある場所や緊急手術での準備が容易であった. 今後の改良点として, 吸引を多く必要とする手術に対応するには6基型が望まれた. 【まとめ】開発した装置は, 当初の目的が達成され, 満足するものであった. |
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ISSN: | 0385-440X 1881-4875 |
DOI: | 10.4286/ikakikaigaku.64.1_38_1 |