止血鑷子を用いた接触凝固時の電気メス熱傷原因とその防止対策に関する研究

1. 研究目的 1926年, H. CushingとW. T. Bovieによって開発された電気メス(electro-surgical unit)は, 生体組織に高周波電流(RF-current:radio-frequency current)をメス先電極から通電することで, 器械メス, レーザーメス, 超音波メスなどでは得られない切開(cutting)・凝固(coagulation)・混合(blend)作用を有し, 今日でも多くの外科手術において不可欠のME機器として繁用されている. 近年では, 広範囲の迅速な止血手技を目的として, 従来の凝固(正確には接触凝固(desiccation)と言...

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Veröffentlicht in:医科器械学 1993/06/01, Vol.63(6), pp.261-268
Hauptverfasser: 酒井, 順哉, 吉中, 平次, 島津, 久明, 住谷, 健二, 根本, 喬
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. 研究目的 1926年, H. CushingとW. T. Bovieによって開発された電気メス(electro-surgical unit)は, 生体組織に高周波電流(RF-current:radio-frequency current)をメス先電極から通電することで, 器械メス, レーザーメス, 超音波メスなどでは得られない切開(cutting)・凝固(coagulation)・混合(blend)作用を有し, 今日でも多くの外科手術において不可欠のME機器として繁用されている. 近年では, 広範囲の迅速な止血手技を目的として, 従来の凝固(正確には接触凝固(desiccation)と言う)に加え, スプレー凝固(放電凝固;fulguration)が塔載される電気メスが数多く市販されるようになった. しかし, スプレー凝固能力を強化するためには, 凝固モードにおける高周波電流の波高値(crest factor)の改善と, その高周波電流出力のピーク電圧(peak voltage)を高く設計する必要があった. さらに最近では, より広範囲な熱凝固を可能にするアルゴンビーム凝固(Argon beam coagulation)が電気メスの付加機能として開発され, 同一出力でも高周波電流出力のピーク電圧を高く設計される傾向に拍車がかかっている. このことは, 電気メス使用時の低周波成分の発生に伴う患者に対する電撃の危険性を増加させている1). また, 電気メスの高周波漏れ電流によって, 術者や助手が筋・神経刺激を感ずることも報告されている2).
ISSN:0385-440X
1881-4875
DOI:10.4286/ikakikaigaku.63.6_261