(50) 当院で実施しているシリンジポンプの充電式内部電池の管理方法

手術室, ICUにおける薬液の微量注入にはシリンジポンプや輸液ポンプは不可欠な機器である. 機器の性能には注入精度や誤作動がなく, ストレッチャーなどで移動中も使用できるよう充電式内部電池が装備されている. しかし内部電池は能力の指標となる電気容量や劣化の判断が難しいために交換時期はメーカーの専門家に頼らざるをえない. 電池の正確な容量試験の一つに, 吐き出した電気量, すなわち放電容量を計測する方法がある. 当院では電気容量を直接表示できる放電器を用いて内部電池の管理を実施してきた. 今回, 手術室およびICUに保有するシリンジポンプ25台を対象に電池容量の調査および電池交換の目安についての...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医科器械学 1993/04/01, Vol.63(4), pp.201
Hauptverfasser: 菅原, 時人, 与坂, 定義, 中島, 進, 藤巻, 智子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:手術室, ICUにおける薬液の微量注入にはシリンジポンプや輸液ポンプは不可欠な機器である. 機器の性能には注入精度や誤作動がなく, ストレッチャーなどで移動中も使用できるよう充電式内部電池が装備されている. しかし内部電池は能力の指標となる電気容量や劣化の判断が難しいために交換時期はメーカーの専門家に頼らざるをえない. 電池の正確な容量試験の一つに, 吐き出した電気量, すなわち放電容量を計測する方法がある. 当院では電気容量を直接表示できる放電器を用いて内部電池の管理を実施してきた. 今回, 手術室およびICUに保有するシリンジポンプ25台を対象に電池容量の調査および電池交換の目安についての検討をおこなった. 〔方法〕電池容量の測定にはS社製のニッケルカドミニウム電池専用の放電器を用いた. 本器は放電した電気量をmAh(ミリアンペアアワー)で表示する計測用放電器である. 機器の管理において手術室は使用後充電せずに, またICUにおいては常に充電状態を維持しており管理方法の違いによる電池容量の実態調査を行った. また充電電池の再生方法についても検討を行った. 〔結果および考察〕最初の調査では手術室の機器8台中2台に容量ゼロのものが見つかり, 2回目も1台存在した. ICUの機器には見当たらず即時使用を考慮する場合は充電状態の保管が望ましい. しかし充電式電池は充電を繰り返すごとに容量が減少するメモリー効果が現れ, 電池特性から必ずしも適切ではない. 一方では放電と充電を繰り返すことで低下した容量の増加を図ることもでき, 実際に減少した電池の再生を試みた. その結果, 24台の機器に20%以上の容量増加が認められ交換時期の延長につながった. しかし1台は容量が増加せず電池の交換を行った.
ISSN:0385-440X
1881-4875
DOI:10.4286/ikakikaigaku.63.4_201_2