(1) 空中浮遊細菌(MRSAを含む)の日常的紫外線殺菌による病院内環境清浄化
院内環境の良好な清浄度を維持するために日常の清掃, 消毒は欠かせない重要な作業である. 我々は空中浮遊細菌と床面付着細菌の菌種毎の数に正の相関があること, 及びMRSAのそれら環境分離株は患者分離株と同一菌株である事を以前報告したが, この点に注目し, 日常の室内清拭は従来通り行い, 空中浮遊菌を日頃から連続して殺菌する事による床面付着箇数の減少を経時的に観察した. 測定は隣接したAとBの2病室で行い, A室には空気殺菌器「ゼロマックス(R)A50」(クラレ製)を設置し連続運転し内蔵された紫外線ランプによって空中浮遊菌の殺菌を行った. 運転初日は, A, B両室で1時間毎に浮遊細菌(クラレ製エ...
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Veröffentlicht in: | 医科器械学 1993/04/01, Vol.63(4), pp.177 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 院内環境の良好な清浄度を維持するために日常の清掃, 消毒は欠かせない重要な作業である. 我々は空中浮遊細菌と床面付着細菌の菌種毎の数に正の相関があること, 及びMRSAのそれら環境分離株は患者分離株と同一菌株である事を以前報告したが, この点に注目し, 日常の室内清拭は従来通り行い, 空中浮遊菌を日頃から連続して殺菌する事による床面付着箇数の減少を経時的に観察した. 測定は隣接したAとBの2病室で行い, A室には空気殺菌器「ゼロマックス(R)A50」(クラレ製)を設置し連続運転し内蔵された紫外線ランプによって空中浮遊菌の殺菌を行った. 運転初日は, A, B両室で1時間毎に浮遊細菌(クラレ製エアトレンド(R)使用), 床面付着細菌(HIスタンプアガー使用)をサンプリングした. また, 翌日及び1週間後消毒薬で床面清拭後同様に経時的にサンプリングを行った. 得られたサンプルは37℃で48時間培養後生じたコロニー数を算定し, 菌種の同定と分子疫学的検索を行った. 「ゼロマックス(R)」を設置したA室においては, 運転開始直後から空中浮遊細菌数が激減したが付着細菌数は変化を認めなかった. 翌日及び1週間後の床面清拭後はA, B両室共, 床面付着歯数は経時的に増加し平衡状態に達した. しかし, 空中浮遊細菌及び床面付着細菌は共にA室はB室よりその数は有意の減少を示した. 以上の事からMRSAなどの感染防止を目的として病室内環境清浄化を行うのに, 床面の清掃, 消毒だけでは十分でないこと, 及び日頃からの室内空中浮遊細菌の減少を図ることが, 床面付着細菌の減少に密接に関連する事が示唆された. 「ゼロマックス(R)」は愚老, 医療スタッフに何ら影響を与えず, 紫外線殺菌によって日常的に空気清浄化を行うのに有用であると考えられる. |
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ISSN: | 0385-440X 1881-4875 |
DOI: | 10.4286/ikakikaigaku.63.4_177_1 |