医用電気機器の電気的安全性に関する研究

[目的]医用電気機器(以下ME機器)に限らず商用電源を使用する全ての機器は, 漏れ電流や地絡電流労どによる電撃の危険性を有している. ME機器による電撃事故を防止するには, 電気的な安全性の点検を定期的に実施することが必要であり, われわれは1979年7月より電気的安全性試験を実施してきた. [方法]聖マリアンナ医科大学病院中央手術室内のME機器(診断・監視装置32台, 治療・生体機能代行装置55台, その他の装置39台)を対象に接地漏れ電流と接地線抵抗の測定を日本ME学会医用電気機器安全基準ならびに日本工業規格医用電気機器の電気的安全性試験方法などに準拠して行なった. 測定は, 高感度交流電...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医科器械学 1991-04, Vol.61 (4), p.183-183
Hauptverfasser: 池田徳男, 末澤真樹, 星利也, 稲留亨, 大野俊夫, 舘田武志, 高橋敬蔵
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:[目的]医用電気機器(以下ME機器)に限らず商用電源を使用する全ての機器は, 漏れ電流や地絡電流労どによる電撃の危険性を有している. ME機器による電撃事故を防止するには, 電気的な安全性の点検を定期的に実施することが必要であり, われわれは1979年7月より電気的安全性試験を実施してきた. [方法]聖マリアンナ医科大学病院中央手術室内のME機器(診断・監視装置32台, 治療・生体機能代行装置55台, その他の装置39台)を対象に接地漏れ電流と接地線抵抗の測定を日本ME学会医用電気機器安全基準ならびに日本工業規格医用電気機器の電気的安全性試験方法などに準拠して行なった. 測定は, 高感度交流電圧計(菊水電子社製1653A型)やCalibration Analyzer(Timeter社製RT-100型)などを用いて年回行った. [結果]1)試験用電流の活性線と接地線間の電圧の変動による接地漏れ電流の増減が2度の定期点検に認められた. 2)接地漏れ電流は, 全ての装置において夏期に増加する傾向が認められた. これは, 相対湿度の上昇が原因であった. 3)水を使用する装置は, 絶縁物の劣化や不適切な取り扱いによる装置内部への水の侵入などにより接地漏れ電流が著しく増加した装置が数台発見された. 4)一部の装置は, 接地漏れ電流が高値であり, 電気的安全性は, 製造会社と装置により, また製造時期により差が認められた. 5)接地線抵抗は, 許容値を超えた装置が約5%発見された. 接地線抵抗の増加した装置の半数は, Hospital Gradeプラグを使用した装置であった. ME機器の電気的安全性を確保維持するには, 電気設備などの病院設備を含む機器の安全管理業務の実施が必要であり, その重要性が改めて示唆された.
ISSN:0385-440X