遠心ポンプ(Bio-pump)による体外循環法
Bio-pumpは, 遠心力を応用したポンプであり, 血球成分や凝固系の破壊変性が少ない点を有している. われわれの施設では, 開心術に際し, ローラーポンプを使用してきたが, 近年, 遠心ポンプの有用性が報告されており, 1989年以来, 積極的に遠心ポンプによる体外循環を行っている. 今回, 遠心ポンプを用いた体外循環中の, (1)血清遊離ヘモグロビン, (2)ハプトグロビン, (3)血小板等を検討したので報告する. [対象および方法]1989年5月より仙台市医療センターにおいて施行した開心術52例である. 虚血性心疾患33例, 弁疾患15例, 先天性心疾患4例である. 人工肺は, 全例で...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 医科器械学 1991-04, Vol.61 (4), p.170-170 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | Bio-pumpは, 遠心力を応用したポンプであり, 血球成分や凝固系の破壊変性が少ない点を有している. われわれの施設では, 開心術に際し, ローラーポンプを使用してきたが, 近年, 遠心ポンプの有用性が報告されており, 1989年以来, 積極的に遠心ポンプによる体外循環を行っている. 今回, 遠心ポンプを用いた体外循環中の, (1)血清遊離ヘモグロビン, (2)ハプトグロビン, (3)血小板等を検討したので報告する. [対象および方法]1989年5月より仙台市医療センターにおいて施行した開心術52例である. 虚血性心疾患33例, 弁疾患15例, 先天性心疾患4例である. 人工肺は, 全例でエクセランα(メラ)を用いた. 平均年齢は, 62±10歳で, 体量は, 54±8kgで, 体外循環時間は, 185±98分, 大動脈遮断時間は, 98±40分であった. 人工肺の充填は, 濃厚赤血球400~600ml, FFP400ml, Hartoman500ml, 25%Albumin100ml, 20%Mannitol(5ml/kg), 6%Dextran(5ml/kg), 7%NaHC0_3 (2ml/kg)で行った. 体外循環中の灌流量は, 60ml/min/kg以上に保ち, 中等度低体温法を併用して行った. 遠心ポンプの回転数は, 3,000RPM以下とした. [結果]血清遊離ヘモグロビンは, 体外循環開始前コントロール値6.4±2.9mg/dl, で180分値64±23mg/dl, と経時的に増加した. ハプトグロビンは, 86±66mg/dlより72±36mg/dlと減少した. 血小板指数は, コントロール値4.6±1.5(×10^3 /%)から, 180分値3.3±α8(×10^3 /%)と減少した. [結論]遠心ポンプは, (1)回転数を一定に保つと全末梢血管抵抗上昇時には灌流量低下がみられ, 容易かつ詳細に体外循環中の循環動態把握が可能である, (2)潅流手技が容易かつ簡便で, (3)血球成分の破壊が少なく, ローラーポンプと等しい体外循環が可能であり, (5)臨床応用可能と考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0385-440X |