(67)空気駆動式人工心肺の検討
目的:現在世界で臨床使用されている補助人工心臓は, その大多数のものが空気駆動式の拍動流型である. 一方人工肺は, 従来の気泡型のものに加えて最近では膜型人工肺が多用される傾向にある. ことに開心術以外への応用として, ECMOならびに臓器移植を目的とした体外臓器灌流保存への応用が注目されるようになってきた. そこで, 人工心臓駆動気体を人工肺の血液酸素加の気体として利用する空気駆動式人工心肺の可能性を追求する目的で, 膜型人工肺を用いて, これの空気駆動式人工心臓としての性能を, 体外模擬循環回路によって検討した. 方法:手元にあったランディ・エドワーズ膜型人工肺(シリコン均質膜積層型, 面...
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Veröffentlicht in: | 医科器械学 1990/04/01, Vol.60(4), pp.212 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:現在世界で臨床使用されている補助人工心臓は, その大多数のものが空気駆動式の拍動流型である. 一方人工肺は, 従来の気泡型のものに加えて最近では膜型人工肺が多用される傾向にある. ことに開心術以外への応用として, ECMOならびに臓器移植を目的とした体外臓器灌流保存への応用が注目されるようになってきた. そこで, 人工心臓駆動気体を人工肺の血液酸素加の気体として利用する空気駆動式人工心肺の可能性を追求する目的で, 膜型人工肺を用いて, これの空気駆動式人工心臓としての性能を, 体外模擬循環回路によって検討した. 方法:手元にあったランディ・エドワーズ膜型人工肺(シリコン均質膜積層型, 面積1平方メートル)ならびにメラシロックス-S(シリコン均質膜中空糸型, 面積0.8平方メートル)を利用し, ガス入口に空気式人工心臓駆動装置(メラHHD型)を接続し, ガス出口は閉鎖した. 血液の入口と出口には, 直径4mmのリード弁を製作してそれぞれ取り付け, 体外模擬循環回路に接続した. 流量は電磁血流計で測定した. 結果:ランディ・エドワーズ膜型人工肺はその空気回路の構造上駆動圧を十分に高くすることができなかったが, 駆動圧100mmHg, 拍動数50bpm, % systole 40%で最大0.4リットル/minの平均流量が測定された. メラシロックス人工肺は内部灌流型でシリコン中空糸を採用しているために, 駆動圧を400mmHgまで印加したが, 拍出流量はほとんど得られなかった. 手元にあった膜型人工肺を用いた簡単な実験であったが, 積層型シリコン膜型人工肺を用いて, 空気駆動式人工心肺を実現できる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0385-440X 1881-4875 |
DOI: | 10.4286/ikakikaigaku.60.4_212_1 |