29.内耳圧測定システムの開発

「1. はじめに」急性高度難聴の原因別分類の一つに, 外リンパ瘻がある. その発症については様々な機序が提唱されているが, 「くしゃみ」「鼻かみ」「いきみ」等, 日常的な動作によっても起こることが報告されている. このような動作が腹筋の緊張を伴うことに着目し, [腹筋の緊張]-[脊髄鞘圧迫]-[脳脊髄圧上昇]-[蝸牛小管を介した脳せき髄液の内耳への流入]-[内耳圧上昇]-[蝸牛窓破壊]という外リンパ瘻発症機序に対する一仮説をたてた. 本仮説を立証するため, コンピュータ制御腹部圧迫装置を設計・試作した. さらに, すでに本研究室で開発した微小圧測定システムと組み合せ, 動物実験を施行し, 腹部...

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Veröffentlicht in:医科器械学 1988/12/01, Vol.58(12), pp.560-562
Hauptverfasser: 堀内, 孝, 増澤, 徹, 藤記, 拓也, 土肥, 健純, 原, 誠, 二木, 隆, 野村, 恭也
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」急性高度難聴の原因別分類の一つに, 外リンパ瘻がある. その発症については様々な機序が提唱されているが, 「くしゃみ」「鼻かみ」「いきみ」等, 日常的な動作によっても起こることが報告されている. このような動作が腹筋の緊張を伴うことに着目し, [腹筋の緊張]-[脊髄鞘圧迫]-[脳脊髄圧上昇]-[蝸牛小管を介した脳せき髄液の内耳への流入]-[内耳圧上昇]-[蝸牛窓破壊]という外リンパ瘻発症機序に対する一仮説をたてた. 本仮説を立証するため, コンピュータ制御腹部圧迫装置を設計・試作した. さらに, すでに本研究室で開発した微小圧測定システムと組み合せ, 動物実験を施行し, 腹部圧迫が脳脊髄系, 内耳に与える影響を考察した. 「2. 方法」「システムの概要」システムの概要を図1に示す. 内耳圧測定システムは内耳圧, 脳脊髄圧, カフ圧を測定するセンサ部, 圧力変換器より出力されるアナログ信号をデジタル化してマイクロコンピュータ部に出力するA/D変換部, 間接的加圧用として試作した腹部圧迫装置からなる.
ISSN:0385-440X
1881-4875
DOI:10.4286/ikakikaigaku.58.12_560