多孔質ガラス膜の医療への応用(第19回医用材料研究会)

「1. はじめに」膜の利用範囲が広まるにつれて, 膜に要求される性能も厳しくなりつつある. たとえばC1化学における高温ガスの分離膜, 排水処理における微生物を含む活性汚泥排水を処理可能な膜を始めとして, 耐薬品性, 耐熱性などに優れた膜の開発が期待されている. 従来の高分子膜ではこれらの要求を完全に満たすことは難しく, ファインセラミックスや多孔質ガラスなどの無機新素材を用いた新しい膜の研究が開始されている. また膜に様々な機能を付与する高機能膜の研究も盛んであるが, 無機膜の場合には表面改質により種々の機能性を付与することが容易である. 血液を血球成分と血漿成分に濾過分離する操作である血漿...

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Veröffentlicht in:医科器械学 1988/06/01, Vol.58(6), pp.260-265
Hauptverfasser: 小澤, 喜久夫, 酒井, 清孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」膜の利用範囲が広まるにつれて, 膜に要求される性能も厳しくなりつつある. たとえばC1化学における高温ガスの分離膜, 排水処理における微生物を含む活性汚泥排水を処理可能な膜を始めとして, 耐薬品性, 耐熱性などに優れた膜の開発が期待されている. 従来の高分子膜ではこれらの要求を完全に満たすことは難しく, ファインセラミックスや多孔質ガラスなどの無機新素材を用いた新しい膜の研究が開始されている. また膜に様々な機能を付与する高機能膜の研究も盛んであるが, 無機膜の場合には表面改質により種々の機能性を付与することが容易である. 血液を血球成分と血漿成分に濾過分離する操作である血漿分離においても無機膜は優れた性能を発揮することが期待される. 疾患により循環血液および体液中に蓄積する病因物質を体外に除去し, 循環血液および体液を浄化する方法を血液浄化法という. 血漿分離はこの血液浄化法の1つであり, 精密濾過膜を用いて血液を血球成分と血漿成分に分離し, 体内の高分子病因物質を除去する治療法である.
ISSN:0385-440X
1881-4875
DOI:10.4286/ikakikaigaku.58.6_260