人工膵臓

「1. 緒言」糖尿病は膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンの絶対的または相対的欠乏による糖を中心とした代謝異常であり, 現在その治療には食事療法, 経口血糖降下剤によるもの, またインスリン療法が用いられている. しかしこれらの療法では, 食事時のみならず食後の血糖値を正常人と同様のレベルにコントロールすることは極めて困難であり, 長期的には, 血糖の厳密なコントロールができないため, 微小血管病変が徐徐に出現してくるといわれている. したがって血糖を常時ある一定範囲内へコントロールすることが, 網膜症, 腎症, 神経症などの遅発性糖尿病合併症の防止または発生遅延につながると考えられている....

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Veröffentlicht in:医科器械学 1983-02, Vol.53 (2), p.90-95
Hauptverfasser: 市川健次, 近藤達平
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 緒言」糖尿病は膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンの絶対的または相対的欠乏による糖を中心とした代謝異常であり, 現在その治療には食事療法, 経口血糖降下剤によるもの, またインスリン療法が用いられている. しかしこれらの療法では, 食事時のみならず食後の血糖値を正常人と同様のレベルにコントロールすることは極めて困難であり, 長期的には, 血糖の厳密なコントロールができないため, 微小血管病変が徐徐に出現してくるといわれている. したがって血糖を常時ある一定範囲内へコントロールすることが, 網膜症, 腎症, 神経症などの遅発性糖尿病合併症の防止または発生遅延につながると考えられている. このような長期にわたるminute to minuteの血糖値のコントロール法として, 従来より膵移植, 人工膵臓, また実験的にはHybrid型人工膵など種々の試みがなされている.
ISSN:0385-440X