心臓血管手術中の人工肺入口圧の異常上昇をきたした5症例

人工心肺を用いた心臓血管手術における人工肺入口圧の異常上昇は,人工肺の緊急交換などの危機的な状況を惹起する可能性がある。今回われわれは,当院において2015年4月から2021年3月の期間に人工心肺を用いた成人心臓血管外科手術を受けた患者について,人工心肺記録をもとに人工肺入口圧が300 mmHg以上に増加した症例を異常圧上昇症例として抽出した。人工心肺を用いた心臓血管手術を受けた463例中5例(1.1%)に人工肺入口圧の異常圧上昇がみられた。5例中1例のみ人工肺入口圧が一時的に400 mmHgを上回ったが,それ以外の4例では400 mmHg以上の圧上昇は示さなかった。日本心臓血管外科学会は人工...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Cardiovascular Anesthesia 2024/09/01, Vol.28(1), pp.125-128
Hauptverfasser: 堀内, 俊孝, 山本, 藍紗, 石川, 智喜
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:人工心肺を用いた心臓血管手術における人工肺入口圧の異常上昇は,人工肺の緊急交換などの危機的な状況を惹起する可能性がある。今回われわれは,当院において2015年4月から2021年3月の期間に人工心肺を用いた成人心臓血管外科手術を受けた患者について,人工心肺記録をもとに人工肺入口圧が300 mmHg以上に増加した症例を異常圧上昇症例として抽出した。人工心肺を用いた心臓血管手術を受けた463例中5例(1.1%)に人工肺入口圧の異常圧上昇がみられた。5例中1例のみ人工肺入口圧が一時的に400 mmHgを上回ったが,それ以外の4例では400 mmHg以上の圧上昇は示さなかった。日本心臓血管外科学会は人工肺入口圧が400 mmHg以下の状態で人工肺の緊急交換は不要と報告している。本症例報告でもすべての症例で規定の循環動態指標の維持が可能で人工肺の交換を要さなかった。
ISSN:1342-9132
1884-7439
DOI:10.11478/jscva.2023-2-003