間欠的に重度大動脈弁逆流を生じる機械弁の人工弁機能不全を動脈圧波形の変化から発見した1例
「抄録」大動脈弁位機械弁の間欠的な開閉障害から生じる大動脈弁閉鎖不全症(AR)を発症した患者において, 経胸壁心エコー(TTE), 経食道心エコー(TEE), X線による弁透視では診断に至らなかったが, 集中治療室でのモニタリング中に動脈圧波形の変化から間欠的なARの残存を発見し, 再弁置換術となった症例を経験した. 機械弁の人工弁機能不全が間欠的に生じる症例はこれまでも稀に報告されてきた. 開閉障害の頻度により重症度は様々であるが, 間欠的であった開閉障害が固定されてしまうと致命的な血行動態の悪化をきたす危険があり, 早期発見が重要になる. 一般的に人工弁機能不全を診断する手法としては, T...
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Veröffentlicht in: | Cardiovascular Anesthesia 2023-09, Vol.27 (1), p.55-59 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「抄録」大動脈弁位機械弁の間欠的な開閉障害から生じる大動脈弁閉鎖不全症(AR)を発症した患者において, 経胸壁心エコー(TTE), 経食道心エコー(TEE), X線による弁透視では診断に至らなかったが, 集中治療室でのモニタリング中に動脈圧波形の変化から間欠的なARの残存を発見し, 再弁置換術となった症例を経験した. 機械弁の人工弁機能不全が間欠的に生じる症例はこれまでも稀に報告されてきた. 開閉障害の頻度により重症度は様々であるが, 間欠的であった開閉障害が固定されてしまうと致命的な血行動態の悪化をきたす危険があり, 早期発見が重要になる. 一般的に人工弁機能不全を診断する手法としては, TTE, TEE, X線による弁透視などが用いられるが, 間欠的に生じている症例では検査のタイミングによっては異常所見を見逃す可能性がある. 本症例は集中治療室にて観血的動脈圧モニタリングを実施しており, 間欠的にDicrotic notchが消失し拡張期血圧が低下するという特徴的な橈骨動脈圧波形の変化が診断に有用であった. |
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ISSN: | 1342-9132 |