体外循環への緊急conversion : 対処とその備えについて考える
今回の3学会合同Cardiovascular Surgery & Anesthesia & Perfusion (CVSAP) シンポジウムでは, off-pump coronary artery bypass grafting (OPCAB) とtranscatheter aortic valve implantation (TAVI) を対象に体外循環への緊急conversionをテーマにとりあげた. 心臓外科医 今水流先生は, OPCAB症例での緊急conversionは死亡率が高いことを指摘された. そのconversionの理由として, 左冠動脈領域の広範囲虚血, あ...
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Veröffentlicht in: | Cardiovascular Anesthesia 2020-08, Vol.24 (1), p.189-189 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今回の3学会合同Cardiovascular Surgery & Anesthesia & Perfusion (CVSAP) シンポジウムでは, off-pump coronary artery bypass grafting (OPCAB) とtranscatheter aortic valve implantation (TAVI) を対象に体外循環への緊急conversionをテーマにとりあげた. 心臓外科医 今水流先生は, OPCAB症例での緊急conversionは死亡率が高いことを指摘された. そのconversionの理由として, 左冠動脈領域の広範囲虚血, あるいは, 回旋枝などへの吻合時の心臓脱転操作による循環虚脱 (左室流入障害, 僧帽弁逆流, 左室流出路閉塞あるいは右室流出路閉塞) の2つを説明された. 体外循環技士 東條先生は, 緊急conversion時にいかに迅速に体外循環を確立するかが生命予後に影響すると指摘された. 体外循環技士は, 準備が整っている状態なら, 15~20分で体外循環への移行が可能だが, 誰が, いつ, その適応を体外循環技士に伝えるかも重要になると指摘された. 麻酔科医 土井先生からは, conversionを防ぐために循環破綻を直ちに判断できるモニタリングが有用と話された. すなわち, スタンダードモニタとして, 肺動脈カテーテルでの混合静脈血酸素飽和度測定があり, また, この代替として, 中心静脈カテーテルを用いた中心静脈酸素飽和度や脳局所酸素化評価も利用可能であるとされた. 総合討論では, TAVIの重篤な合併症である弁輪破裂の症例が提示された. 本症例では, 循環破綻時に迅速な原因把握を行うと同時に, 循環動態安定につとめる一方で, 必要最小限の修復治療に留めたことが, 救命につながったと報告された. 心臓外科医, 体外循環技士および麻酔科医を交えた意見交換は, 実際の緊急の場では, 時として時間ロスにつながるため, 普段からこのような討論をしておくことが大切である, と再認識したシンポジウムであった. 利益相反なし |
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ISSN: | 1342-9132 |
DOI: | 10.11478/jscva.2020-4-002 |