心臓傍神経節腫瘍に対する心拍動下腫瘍切除術の麻酔経験

「抄録」心臓傍神経節腫瘍は非常に稀有な疾患であり, 本邦では心拍動下で切除を行った報告はない. 26歳男性, 心臓傍神経節腫瘍を指摘され当院に紹介された. 腫瘍は右冠動脈と左回旋枝からの栄養血管を有し, 左房と左下肺静脈に接していた. 近接臓器への浸潤は明らかではなかった. 関連各科, 職種で検討し, 人工心肺を使用した心拍動下での腫瘍切除術が予定された. 腫瘍の剥離は容易であり, 切除後の血中カテコラミン濃度低下による血圧低下はノルアドレナリン持続投与で対応し得た. 術後経過も良好であった. 術中危機的状況に至る可能性もあり, 心拍動下で行う際の血行動態の変化を予想し, 対応を検討しておくこ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Cardiovascular Anesthesia 2020-08, Vol.24 (1), p.85-90
Hauptverfasser: 水津悠, 片岡剛, 浅田秀典, 白神幸太郎, 笹井有美子, 立木美香, 成瀬光栄, 七野力
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」心臓傍神経節腫瘍は非常に稀有な疾患であり, 本邦では心拍動下で切除を行った報告はない. 26歳男性, 心臓傍神経節腫瘍を指摘され当院に紹介された. 腫瘍は右冠動脈と左回旋枝からの栄養血管を有し, 左房と左下肺静脈に接していた. 近接臓器への浸潤は明らかではなかった. 関連各科, 職種で検討し, 人工心肺を使用した心拍動下での腫瘍切除術が予定された. 腫瘍の剥離は容易であり, 切除後の血中カテコラミン濃度低下による血圧低下はノルアドレナリン持続投与で対応し得た. 術後経過も良好であった. 術中危機的状況に至る可能性もあり, 心拍動下で行う際の血行動態の変化を予想し, 対応を検討しておくことが必要である.
ISSN:1342-9132