急性Stanford A型大動脈解離の麻酔

「抄録」 急性Stanford A型大動脈解離に対する緊急手術の在院死亡率は高く, 周術期管理を担う麻酔科医に課せられる仕事は大きい. 術前診察で重要なことは, 刻一刻と変化する病態の重症度判断である. 手術においては, 体外循環を用いた主要臓器の保護方法を理解し, 心血管作動薬や血液製剤の過剰投与を行わないよう管理することが求められる. 特に麻酔科医が行う経食道心エコーは体外循環の確立や循環管理, 再建した血流の可視化など術式の展開に大きく関与する. 心臓血管麻酔の基礎力に裏打ちされた応用力を元に, 病院全体を挙げた治療法の確立に先導的役割を担うことも麻酔科医に求められる. 日々の臨床におい...

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Veröffentlicht in:Cardiovascular Anesthesia 2019-08, Vol.23 (1), p.27-31
Hauptverfasser: 関厚一郎, 谷上祥世, 宗像沙知, 福島紘子, 能見俊浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」 急性Stanford A型大動脈解離に対する緊急手術の在院死亡率は高く, 周術期管理を担う麻酔科医に課せられる仕事は大きい. 術前診察で重要なことは, 刻一刻と変化する病態の重症度判断である. 手術においては, 体外循環を用いた主要臓器の保護方法を理解し, 心血管作動薬や血液製剤の過剰投与を行わないよう管理することが求められる. 特に麻酔科医が行う経食道心エコーは体外循環の確立や循環管理, 再建した血流の可視化など術式の展開に大きく関与する. 心臓血管麻酔の基礎力に裏打ちされた応用力を元に, 病院全体を挙げた治療法の確立に先導的役割を担うことも麻酔科医に求められる. 日々の臨床において麻酔科医が積極的に治療に参画することが, 未だ改善の余地のある本疾患の治療成績の向上につながると考える.
ISSN:1342-9132