術後に高度徐脈を伴う心筋虚血を来し緊急冠動脈バイパス術を要した川崎病性冠動脈瘤縫縮術の麻酔経験

「要旨」 術後に心筋虚血を来し緊急冠動脈バイパス術を要した川崎病性冠動脈瘤縫縮術の麻酔を経験した. 症例は43歳女性, 12歳で川崎病の診断を受けた. 今回, 胸痛で発症し, 左冠動脈前下行枝完全閉塞と右冠動脈瘤に対し, 冠動脈バイパス術と右冠動脈瘤縫縮術が施行された. 術後7時間後に高度の徐脈・低血圧を生じ, 右冠動脈領域心筋虚血の診断で超緊急冠動脈バイパス術を施行し救命し得た. 川崎病性冠動脈疾患の手術・麻酔では, 川崎病特有の血管病態を考慮した慎重な管理が必要である. 「緒言」 川崎病は幼少時に好発する原因不明の急性熱性疾患で, 冠動脈を含む全身の血管炎症候群である. 本邦で1967年に...

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Veröffentlicht in:Cardiovascular Anesthesia 2017-08, Vol.21 (1), p.37-41
Hauptverfasser: 福田征孝, 菅澤佑介, 安藤望, 掛水真帆, 山本牧子, 西村欣也, 林田眞和, 稲田英一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 術後に心筋虚血を来し緊急冠動脈バイパス術を要した川崎病性冠動脈瘤縫縮術の麻酔を経験した. 症例は43歳女性, 12歳で川崎病の診断を受けた. 今回, 胸痛で発症し, 左冠動脈前下行枝完全閉塞と右冠動脈瘤に対し, 冠動脈バイパス術と右冠動脈瘤縫縮術が施行された. 術後7時間後に高度の徐脈・低血圧を生じ, 右冠動脈領域心筋虚血の診断で超緊急冠動脈バイパス術を施行し救命し得た. 川崎病性冠動脈疾患の手術・麻酔では, 川崎病特有の血管病態を考慮した慎重な管理が必要である. 「緒言」 川崎病は幼少時に好発する原因不明の急性熱性疾患で, 冠動脈を含む全身の血管炎症候群である. 本邦で1967年に報告されて以来, 既往者の半数の約11万名が成人となった. 川崎病罹患後の冠動脈病変(冠動脈瘤や狭窄)は, 川崎病患者の約8%で生じ, 時に瘤内血栓の形成や瘤退縮過程での狭窄発生を通して, 成人期に狭心症や心筋梗塞, 突然死を発症することもある.
ISSN:1342-9132