下肢人工関節置換術後における静脈血栓塞栓症の発生危険因子と早期診断法の検討

「要旨」目的: 下肢人工関節置換術後における静脈血栓塞栓症(VTE)の発生について, スクリーニングの有用性, 危険因子, 血栓発生部位と術側との関係を明らかにする. 方法: 人工股・膝関節置換術患者を対象とし, 後ろ向きに調査した. VTE発生と非発生例を比較検討した. 結果: 107例中, VTEは15例発生した. 術後D-dimerはVTE発生に関係なく全例高値で, VTE診断における感度・特異度は低値であった. 一方, 下肢静脈エコーによりVTEの早期診断と治療が行われ全例後遺症は認めなかった. 危険因子, 血栓発生側と術側との関係は認めなかった. 結論: 術後D-dimer単独の評価...

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Veröffentlicht in:Cardiovascular Anesthesia 2016-07, Vol.20 (1), p.93-97
Hauptverfasser: 大石博史, 神谷和男, 吉田仁, 山田正名, 荒井理歩, 長岡治美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」目的: 下肢人工関節置換術後における静脈血栓塞栓症(VTE)の発生について, スクリーニングの有用性, 危険因子, 血栓発生部位と術側との関係を明らかにする. 方法: 人工股・膝関節置換術患者を対象とし, 後ろ向きに調査した. VTE発生と非発生例を比較検討した. 結果: 107例中, VTEは15例発生した. 術後D-dimerはVTE発生に関係なく全例高値で, VTE診断における感度・特異度は低値であった. 一方, 下肢静脈エコーによりVTEの早期診断と治療が行われ全例後遺症は認めなかった. 危険因子, 血栓発生側と術側との関係は認めなかった. 結論: 術後D-dimer単独の評価ではVTE発生を見逃す危険性があり下肢静脈エコーを積極的に行うべきである.
ISSN:1342-9132