胸部ステントグラフト内挿術中に発症したStanford A型急性大動脈解離による広範な脳虚血の診断にBispectral indexが有用であった一症例
「要旨」64歳, 男性. 9か月前発症のB型解離性大動脈瘤に対し, 胸部ステントグラフト内挿術が施行された. ステント留置直後, 急激な徐脈と血圧低下を認め, A型急性大動脈解離を発症した. 約30分経過後, 急激なBispectral index(BIS)の上昇を認め, その直後からsuppression ratioが増加し, BISが低下した. 血管造影を行ったところ右腕頭動脈と左総頚動脈に解離が認められた. 頚動脈へのステント留置と右内頚動脈-左総頚動脈バイパス術を施行後, 上行弓部大動脈置換術を施行した. 術後10時間で集中治療室にて抜管した. 意識レベルはグラスゴー昏眠尺度14点,...
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Veröffentlicht in: | Cardiovascular Anesthesia 2014-08, Vol.18 (1), p.41-44 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」64歳, 男性. 9か月前発症のB型解離性大動脈瘤に対し, 胸部ステントグラフト内挿術が施行された. ステント留置直後, 急激な徐脈と血圧低下を認め, A型急性大動脈解離を発症した. 約30分経過後, 急激なBispectral index(BIS)の上昇を認め, その直後からsuppression ratioが増加し, BISが低下した. 血管造影を行ったところ右腕頭動脈と左総頚動脈に解離が認められた. 頚動脈へのステント留置と右内頚動脈-左総頚動脈バイパス術を施行後, 上行弓部大動脈置換術を施行した. 術後10時間で集中治療室にて抜管した. 意識レベルはグラスゴー昏眠尺度14点, 右不全麻痺を呈していた. 頭部CTでは左基底核に出血性梗塞を認めた. BISが全身麻酔中の中枢神経系合併症発見に有用なモニターである可能性が示唆された. 「緒言」胸部ステントグラフト内挿術(Thoracic Endovascular Aortic Repair: TEVAR)中に発症した急性大動脈解離(Acute Aortic Dissection: AAD)による脳虚血の診断にBISが有用であった症例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 1342-9132 |