Kommerell憩室を有する患者10名の胸部大動脈置換術の麻酔経験

「要旨」Kommerell憩室は鎖骨下動脈起始部に発生した嚢状瘤であり, まれな疾患である. 当院では6年間で10名のKommerell憩室を有する患者の胸部大動脈置換術を行ったが, そのうち1例で, 二腔チューブと経食道心臓超音波プローベの挿入困難を経験した. Kommerell憩室を有する患者は, 大動脈瘤のみならず大動脈の走行が通常と異なる場合がある. その麻酔管理においては, 術中の血行動態に配慮した動脈圧のモニタリングを行うことが必要になる. また, 瘤や大動脈の走行異常による気管や食道への圧迫を考慮する必要があり, 画像を含めた術前評価を行うことが重要である. 「はじめに」Komm...

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Veröffentlicht in:Cardiovascular Anesthesia 2014-08, Vol.18 (1), p.35-40
Hauptverfasser: 高橋京助, 佐藤奈々子, 加藤剛, 杉浦孝広, 鎌田高彰, 森庸介
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」Kommerell憩室は鎖骨下動脈起始部に発生した嚢状瘤であり, まれな疾患である. 当院では6年間で10名のKommerell憩室を有する患者の胸部大動脈置換術を行ったが, そのうち1例で, 二腔チューブと経食道心臓超音波プローベの挿入困難を経験した. Kommerell憩室を有する患者は, 大動脈瘤のみならず大動脈の走行が通常と異なる場合がある. その麻酔管理においては, 術中の血行動態に配慮した動脈圧のモニタリングを行うことが必要になる. また, 瘤や大動脈の走行異常による気管や食道への圧迫を考慮する必要があり, 画像を含めた術前評価を行うことが重要である. 「はじめに」Kommerell憩室は鎖骨下動脈起始部に発生した嚢状瘤であり, 胎生期の背側大動脈遺残に起因するまれな疾患である. 多くは大動脈および鎖骨下動脈の奇形を伴い, 大動脈やその分枝の奇形は, 時に気管や食道を囲むように血管輪を形成し, 気管や食道の圧迫よる症状を呈することもある.
ISSN:1342-9132