他院との連携により脊髄くも膜下鎮痛法で迅速に改善した難治性がん疼痛の1例
85歳の女性.乳がん・多発骨転移の疼痛コントロール目的に前医に紹介された.オピオイドや放射線治療を開始するも疼痛強く体動困難であった.入院2カ月目に持続硬膜外鎮痛を開始し疼痛は軽減した.長期予後が望め,事前に打ち合わせ準備,情報共有ののち,脊髄くも膜下カテーテル挿入および皮下ポート留置目的に当院へ転院された.疼痛部位は右第6肋骨転移による側胸部痛とL2~5腰椎転移部の腰痛であり,2本の脊髄くも膜下カテーテルの先端をTh5とTh12/L1に位置させ,右鎖骨下に2個の皮下ポートを留置した.それぞれ0.1%等比重ブピバカインを開始した.翌朝numerical rating scaleは0であり,同日...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2024/09/25, Vol.31(9), pp.195-198 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 85歳の女性.乳がん・多発骨転移の疼痛コントロール目的に前医に紹介された.オピオイドや放射線治療を開始するも疼痛強く体動困難であった.入院2カ月目に持続硬膜外鎮痛を開始し疼痛は軽減した.長期予後が望め,事前に打ち合わせ準備,情報共有ののち,脊髄くも膜下カテーテル挿入および皮下ポート留置目的に当院へ転院された.疼痛部位は右第6肋骨転移による側胸部痛とL2~5腰椎転移部の腰痛であり,2本の脊髄くも膜下カテーテルの先端をTh5とTh12/L1に位置させ,右鎖骨下に2個の皮下ポートを留置した.それぞれ0.1%等比重ブピバカインを開始した.翌朝numerical rating scaleは0であり,同日前医に転院した.難治性がん疼痛に対するインターベンション治療は近年重要性が高まっているが,施行できる施設が限られることが課題である.本症例は,前医で脊髄くも膜下鎮痛法を行えない環境だったが,迅速に介入し患者のactivities of daily livingを上げることができた.病院間で綿密な情報交換,速やかな対応と連携で,脊髄くも膜下鎮痛法は啓蒙・普及させることができると考えられる. |
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ISSN: | 1340-4903 1884-1791 |
DOI: | 10.11321/jjspc.24-0017 |