直腸がん術後の難治性旧肛門部痛を複数回のくも膜下フェノールブロックで管理し得た1症例
直腸がん術後の旧肛門部痛に対し,くも膜下フェノールブロック(subarachnoid phenol block:SAPB)を繰り返し行うことでquality of life(QOL)を改善し,入院から在宅療養への移行および在宅療養の継続が可能となった症例を経験したので報告する.40代男性,直腸がんの術後に薬物療法でコントロール困難な旧肛門部痛が出現し,疼痛と薬物の副作用で在宅療養が困難であった.排尿障害を考慮して不対神経ブロックや仙骨硬膜外ブロックを行ったが効果に乏しく,排尿障害が出現した時点でSAPBを行ったところ,疼痛が軽減し在宅療養が可能になった.以降骨盤内再発や多発転移が出現したが,S...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2023/01/25, Vol.30(1), pp.5-8 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 直腸がん術後の旧肛門部痛に対し,くも膜下フェノールブロック(subarachnoid phenol block:SAPB)を繰り返し行うことでquality of life(QOL)を改善し,入院から在宅療養への移行および在宅療養の継続が可能となった症例を経験したので報告する.40代男性,直腸がんの術後に薬物療法でコントロール困難な旧肛門部痛が出現し,疼痛と薬物の副作用で在宅療養が困難であった.排尿障害を考慮して不対神経ブロックや仙骨硬膜外ブロックを行ったが効果に乏しく,排尿障害が出現した時点でSAPBを行ったところ,疼痛が軽減し在宅療養が可能になった.以降骨盤内再発や多発転移が出現したが,SAPBの効果が減弱してきたタイミングでブロックを繰り返し(計3回)行ったことで在宅療養期間を長くとることができ,かつ永眠するまで疼痛はコントロールされた.旧肛門部痛や会陰部の疼痛が薬物療法で困難な場合,SAPBが考慮されるが,効果減弱時に反復して行うことで患者のQOLの改善に寄与することができた. |
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ISSN: | 1340-4903 1884-1791 |
DOI: | 10.11321/jjspc.22-0034 |