下腿コンパートメント症候群の減張切開後の疼痛コントロールとして末梢神経ブロックが著効した1症例

急性下肢動脈閉塞術後の下腿コンパートメント症候群(CS)に対して減張切開を行った後の疼痛コントロールに末梢神経ブロックが著効した症例を報告する.患者は56歳の男性,X−1日に左膝色調不良を認め,X日に左総大腿動脈の急性下肢動脈閉塞と診断され緊急下肢血栓除去術が施行された.術後,ICUにて左下腿CSを認め減張切開を2回施行した.フェンタニルで疼痛コントロールを行ったが,フェンタニルを増量しても疼痛コントロールが困難であったため,X+2日目に超音波ガイド下に末梢神経ブロック(左伏在神経・左坐骨神経ブロック:膝下部法)を施行した.施行後,下腿の疼痛は軽快しフェンタニルを減量,中止できた.ICUにおい...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2020/02/25, Vol.27(1), pp.99-102
Hauptverfasser: 天日, 聖, 谷口, 巧
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:急性下肢動脈閉塞術後の下腿コンパートメント症候群(CS)に対して減張切開を行った後の疼痛コントロールに末梢神経ブロックが著効した症例を報告する.患者は56歳の男性,X−1日に左膝色調不良を認め,X日に左総大腿動脈の急性下肢動脈閉塞と診断され緊急下肢血栓除去術が施行された.術後,ICUにて左下腿CSを認め減張切開を2回施行した.フェンタニルで疼痛コントロールを行ったが,フェンタニルを増量しても疼痛コントロールが困難であったため,X+2日目に超音波ガイド下に末梢神経ブロック(左伏在神経・左坐骨神経ブロック:膝下部法)を施行した.施行後,下腿の疼痛は軽快しフェンタニルを減量,中止できた.ICUにおいても薬物による疼痛コントロールが困難な場合,全身状態の安定化に十分寄与することが期待される症例では末梢神経ブロックを積極的に考慮すべきである.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.19-0025