音楽療法併用により退院への意欲の向上と痛みレベルの低下を認めた高齢者急性痛の3例
高齢者の急性痛3症例に対し,音楽療法士による音楽療法(music therapy:MT)を施行したところ,退院への意欲向上と痛みのさらなる軽減を認めたので報告する.症例は,腰部脊髄神経根症による腰下肢痛再発の78歳,および帯状疱疹痛の84歳と85歳のいずれも女性であり,初診時の数値評価スケール(numerical rating scale:NRS)10の痛みに加え睡眠障害や抑うつなどの併存症がみられた.3症例とも神経ブロックと薬物療法により痛みレベルが低下した.しかし,退院可能と判断された後も抑うつ傾向が残存し,退院は拒否された.腰下肢痛再発の症例1において,長期化する入院生活の質向上を目的に...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2018/10/25, Vol.25(4), pp.283-286 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 高齢者の急性痛3症例に対し,音楽療法士による音楽療法(music therapy:MT)を施行したところ,退院への意欲向上と痛みのさらなる軽減を認めたので報告する.症例は,腰部脊髄神経根症による腰下肢痛再発の78歳,および帯状疱疹痛の84歳と85歳のいずれも女性であり,初診時の数値評価スケール(numerical rating scale:NRS)10の痛みに加え睡眠障害や抑うつなどの併存症がみられた.3症例とも神経ブロックと薬物療法により痛みレベルが低下した.しかし,退院可能と判断された後も抑うつ傾向が残存し,退院は拒否された.腰下肢痛再発の症例1において,長期化する入院生活の質向上を目的にMTを導入したところ,予期せず退院への意欲向上に有効であった.また,NRSのさらなる低下も得られた.その経験を続く2症例にも適用し,同様の効果が認められた.MTの有用性は慢性痛ですでに報告されているが,急性痛でも抑うつなどの精神症状を併存する場合に試みてよい治療法と思われた. |
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ISSN: | 1340-4903 1884-1791 |
DOI: | 10.11321/jjspc.18-0008 |