肋軟骨を損傷したスポーツ選手に対し肋間神経パルス高周波法を導入し鎮痛と運動機能改善を得た1症例

肋軟骨損傷による季肋部痛を訴えるスポーツ選手に対し,肋間神経へパルス高周波法(PRF)を行うことで鎮痛を得て復帰できた症例を経験したので報告する.症例は20歳代の男性.スポーツ競技練習中に他選手に押しつぶされて左肋軟骨を損傷し,体動時,特に初動時の左季肋部痛のためプレーに支障が出る状態であった.受傷5日後に受診.左季肋部の圧痛部位を確認し該当範囲の肋間神経へ対しマイクロコンベックスプローブ・平行法を用いた電気刺激併用超音波ガイド下穿刺手技でPRFを施行したところ,痛みの軽減を得て競技に復帰することができた.肋軟骨損傷は多くの症例が保存的加療となるが,治癒までは体動に伴う刺激で痛みが継続する.し...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2018/10/25, Vol.25(4), pp.273-277
Hauptverfasser: 旭爪, 章統, 横川, 直美, 山本, 陽子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:肋軟骨損傷による季肋部痛を訴えるスポーツ選手に対し,肋間神経へパルス高周波法(PRF)を行うことで鎮痛を得て復帰できた症例を経験したので報告する.症例は20歳代の男性.スポーツ競技練習中に他選手に押しつぶされて左肋軟骨を損傷し,体動時,特に初動時の左季肋部痛のためプレーに支障が出る状態であった.受傷5日後に受診.左季肋部の圧痛部位を確認し該当範囲の肋間神経へ対しマイクロコンベックスプローブ・平行法を用いた電気刺激併用超音波ガイド下穿刺手技でPRFを施行したところ,痛みの軽減を得て競技に復帰することができた.肋軟骨損傷は多くの症例が保存的加療となるが,治癒までは体動に伴う刺激で痛みが継続する.しかし“副作用のため内服が困難”,“生活上安静が困難”などの理由から鎮痛維持が難しい症例も存在する.PRFは神経組織の変性を起こす可能性が低く筋力低下や知覚障害などを生じにくい治療手段であり,肋骨や肋軟骨損傷に伴う急性痛に対して同治療は有効な一手段になりうると考える.またその際にマイクロコンベックスプローブを用いて平行法で穿刺を行うことが安全担保に寄与しうる.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.17-0043