遷延性術後痛に対し末梢神経パルス高周波療法が有効であった3例

症例1は56歳,女性.右肩腱板断裂修復術後から右肩の痛みと関節可動域(ROM)制限が1年9カ月残存し,薬物治療や神経ブロック治療を行っても改善しなかった.右肩甲上神経にパルス高周波療法(PRF)を施行したところ,ROM制限は著明に改善し,痛みも徐々に軽快した.症例2は79歳,女性.約9年前の人工膝関節置換術(TKA)後から左下腿と膝の痛みを自覚し,膝の屈曲制限が残存していた.左伏在神経にPRFを行ったところ,直後から良好な鎮痛が得られ,膝関節の屈曲制限も著明に改善した.1カ月後に痛みが再燃したため,再度伏在神経にPRFを行い,痛みは消失した.症例3は73歳,女性.5年前のTKA後から左下腿前面...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2017/02/25, Vol.24(1), pp.55-59
Hauptverfasser: 溝渕, 敦子, 植松, 弘進, 大迫, 正一, 博多, 紗綾, 藤野, 裕士, 松田, 陽一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例1は56歳,女性.右肩腱板断裂修復術後から右肩の痛みと関節可動域(ROM)制限が1年9カ月残存し,薬物治療や神経ブロック治療を行っても改善しなかった.右肩甲上神経にパルス高周波療法(PRF)を施行したところ,ROM制限は著明に改善し,痛みも徐々に軽快した.症例2は79歳,女性.約9年前の人工膝関節置換術(TKA)後から左下腿と膝の痛みを自覚し,膝の屈曲制限が残存していた.左伏在神経にPRFを行ったところ,直後から良好な鎮痛が得られ,膝関節の屈曲制限も著明に改善した.1カ月後に痛みが再燃したため,再度伏在神経にPRFを行い,痛みは消失した.症例3は73歳,女性.5年前のTKA後から左下腿前面にアロディニアが出現し,治療抵抗性であった.左伏在神経PRFを施行し,直後からアロディニアは軽快した.3症例ともPRF直後から鎮痛効果があり,6カ月以上効果は持続している.従来の治療で改善しなかった遷延性術後痛に対し,末梢神経PRFが有効であった上記3症例について文献的考察を加え報告する.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.16-0027