エピドラスコピーを併用して腰部脊柱管内嚢胞性腫瘤をTuohy針で穿刺し寛解した腰下肢痛の1例

[要旨]エピドラスコピーは腰部脊柱管狭窄症などによる痛みに対して, 硬膜外腔の癒着剥離および神経根周囲の洗浄を目的として行われる治療手技である. このようなエピドラスコピーの利用法とは異なり, 腰部脊柱管硬膜外腔内嚢胞性病変による腰下肢痛に対して, エピドラスコピーを造影のために使用し, Tuohy針による穿刺によって嚢胞性病変の縮小と痛みの緩和に成功した1症例を経験したので報告する. 症例は52歳の女性である. 半年前から左臀部痛および左下肢痛を発症し, 腰椎MRI所見から第4腰椎硬膜外腔内の嚢胞性病変による第5腰髄神経根の圧迫が痛みの原因と診断した. 嚢胞性病変の成因としては第4/5腰椎椎...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2012-06, Vol.19 (2), p.28-32
Hauptverfasser: 星野陽子, 住谷昌彦, 日下部良臣, 佐藤可奈子, 冨岡俊也, 小川真, 関山裕詩, 山田芳嗣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[要旨]エピドラスコピーは腰部脊柱管狭窄症などによる痛みに対して, 硬膜外腔の癒着剥離および神経根周囲の洗浄を目的として行われる治療手技である. このようなエピドラスコピーの利用法とは異なり, 腰部脊柱管硬膜外腔内嚢胞性病変による腰下肢痛に対して, エピドラスコピーを造影のために使用し, Tuohy針による穿刺によって嚢胞性病変の縮小と痛みの緩和に成功した1症例を経験したので報告する. 症例は52歳の女性である. 半年前から左臀部痛および左下肢痛を発症し, 腰椎MRI所見から第4腰椎硬膜外腔内の嚢胞性病変による第5腰髄神経根の圧迫が痛みの原因と診断した. 嚢胞性病変の成因としては第4/5腰椎椎間関節滑液嚢胞が示唆された. まず行われた低侵襲治療である椎間関節ブロック, 腰部硬膜外ブロック, 薬物療法では痛みは軽減しなかった. そこで, エピドラスコピーを用いて直視的に嚢胞を穿破しようと試みた.
ISSN:1340-4903