II-3 緊張型頭痛の治療中に頸部脊髄腫瘍を発見した1症例
緊張型頭痛, 肩こりの治療中に, 頸部脊髄腫瘍を発見した症例を経験したので報告する. 症例は, 42歳女性. 主訴は後頭部を中心とした頭痛, 肩こり. 15歳頃から頭痛, 肩こりがあり, 専門的治療を希望し, 近医整形外科より当科を紹介受診となる. 初診時, 後頭部から後頸部, 肩甲部に持続する圧迫されるような痛み, 同部位の知覚鈍麻, 違和感を訴えた. 後頸部から肩にトリガーポイントが多数存在した. 頸椎レントゲンで生理的前彎が消失していたが, 神経学的異常はなかった. 緊張型頭痛と診断し, 後頭神経ブロック, トリガーポイント注射を施行の上, エチゾラム0.5mg/日の内服を開始した. 1...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2011, Vol.18 (4), p.412-412 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緊張型頭痛, 肩こりの治療中に, 頸部脊髄腫瘍を発見した症例を経験したので報告する. 症例は, 42歳女性. 主訴は後頭部を中心とした頭痛, 肩こり. 15歳頃から頭痛, 肩こりがあり, 専門的治療を希望し, 近医整形外科より当科を紹介受診となる. 初診時, 後頭部から後頸部, 肩甲部に持続する圧迫されるような痛み, 同部位の知覚鈍麻, 違和感を訴えた. 後頸部から肩にトリガーポイントが多数存在した. 頸椎レントゲンで生理的前彎が消失していたが, 神経学的異常はなかった. 緊張型頭痛と診断し, 後頭神経ブロック, トリガーポイント注射を施行の上, エチゾラム0.5mg/日の内服を開始した. 1週間後には, 頭痛はほとんど消失, 肩こりもあまり気にならないとした. しかし1ヵ月後から左後頸部から肩関節周囲のしびれを訴え, さらに2週間後には同部位の一部に知覚鈍麻を生じた. 頸椎MRIを施行したところ, C7-Th1の脊髄内に腫瘤があり, 上衣腫が疑われたために脳神経外科をコンサルトした. 結果, 脊髄腫瘍摘出術を受け, 術後は下半身の感覚, 運動麻痺に対してリハビリを受けている. 今回の経験からは, 早期にMRI等の施行を考慮すべきであったと思われる. |
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ISSN: | 1340-4903 |