2 脊椎疾患による神経根性疼痛に対する治療
上肢痛が主訴の頸椎椎間板ヘルニア, 頸椎症性神経根症に対し, ペインクリニックと連携して治療しており, 現状を紹介するとともに整形外科の視点で課題を提起したい. 片側上肢痛に対し, まず頸椎由来かの鑑別が前提となり, 次に障害神経根の同定, 画像所見との整合性が吟味される. 画像はMRIが基本だが, 脊髄造影, 造影後CTも重要である. 当科では, (1)ステロイド製剤を含む投薬, (2)入院での頸部持続硬膜外注入, (3)手術治療, という手順で対処している. 2005~9年の頸部持続硬膜外注入(0.2%ロピバカインを時間3-5mlで注入)施行例は27例(平均45歳)であった. 平均8日間注...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2011, Vol.18 (4), p.409-409 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 上肢痛が主訴の頸椎椎間板ヘルニア, 頸椎症性神経根症に対し, ペインクリニックと連携して治療しており, 現状を紹介するとともに整形外科の視点で課題を提起したい. 片側上肢痛に対し, まず頸椎由来かの鑑別が前提となり, 次に障害神経根の同定, 画像所見との整合性が吟味される. 画像はMRIが基本だが, 脊髄造影, 造影後CTも重要である. 当科では, (1)ステロイド製剤を含む投薬, (2)入院での頸部持続硬膜外注入, (3)手術治療, という手順で対処している. 2005~9年の頸部持続硬膜外注入(0.2%ロピバカインを時間3-5mlで注入)施行例は27例(平均45歳)であった. 平均8日間注入し, 除痛効果があり持続: 20例(74%), 効果不十分で手術施行: 7例(26%)であった. 後者は抜去後平均1月以内に手術を施行しており, 画像上での圧迫病変が, 骨化・石灰化椎間板, 椎間孔の骨性狭窄, 頭尾方向に広範, という特徴があった. 頸椎部硬膜外注入は整形外科には技術的基盤がなく敬遠されがちで, ペインクリニックとの連携が望ましいと考える. 手術は最終手段と考えるが, 原因となる障害高位, 責任病巣診断が基本となる最も重要な点で, 的確な診断が治療の前提となることを強調したい. |
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ISSN: | 1340-4903 |