A-2 デュロキセチンを投与した線維筋痛症の4症例

厚生労働省の線維筋痛症診療ガイドラインでは, クラスター分類に従って投与薬物を選択するよう推奨されている. 共通する鎮痛薬としてはガバペンチンが最も有効とされているが, デュロキセチンもエビデンスレベルが高く, FDAでは早くから適応承認を受けている. 今回われわれは, 線維筋痛症4症例にデュロキセチンを投与してみたのでその経過を報告する. 症例は筋緊張亢進型女性2名, うつ型女性1名, 身体表現性障害の疑いも持たれていた男性1名である. 全例にデュロキセチン40mgを投与したところ, うつ型の女性と筋緊張亢進型の女性1名は劇的に痛みの改善をみた. もう1人の筋緊張亢進型女性では痛みは変わらな...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2011, Vol.18 (4), p.402-402
Hauptverfasser: 洪淳憲, 川端真仁, 大石正隆, 上野由衣, 荒木ひろみ, 江崎善保, 河西稔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:厚生労働省の線維筋痛症診療ガイドラインでは, クラスター分類に従って投与薬物を選択するよう推奨されている. 共通する鎮痛薬としてはガバペンチンが最も有効とされているが, デュロキセチンもエビデンスレベルが高く, FDAでは早くから適応承認を受けている. 今回われわれは, 線維筋痛症4症例にデュロキセチンを投与してみたのでその経過を報告する. 症例は筋緊張亢進型女性2名, うつ型女性1名, 身体表現性障害の疑いも持たれていた男性1名である. 全例にデュロキセチン40mgを投与したところ, うつ型の女性と筋緊張亢進型の女性1名は劇的に痛みの改善をみた. もう1人の筋緊張亢進型女性では痛みは変わらないというものの, うつ症状は軽減した. 男性症例はまったく無効であった. 線維筋痛症患者の治療は認知行動療法を含めた全人的な観点からの対応が必須であるが, 薬物治療はそのクラスター分類に基づいて行うことが重要である. デュロキセチンは線維筋痛症に対して投与すべき抗うつ薬のひとつであると思われた.
ISSN:1340-4903