III-1 全身麻酔中の長時間の円座使用により後頭神経障害をきたした1例
手術中, 長時間の同一体位で皮膚障害や末梢神経障害が起こることがある. 今回, 急性解離性大動脈解離の手術後に, 円座による長時間圧迫が原因と考えられた後頭神経障害をきたした症例の治療を経験した. 症例は55歳男性, 急性大動脈解離(Stanford A型)に対し, 人工血管置換術が施行された. 手術時間11時間, 麻酔時間12時間55分. 術後3日目より, 右後頭部から頭頂部の痛みを自覚し, NSAIDsを服用したが無効であった. 術後18日目よりカルバマゼピン200mg/日の内服を開始したが無効であった. 術後39日目の当科初診時, 右大後頭神経領域の痛み(VAS80mm), 知覚鈍麻,...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2010, Vol.17 (4), p.528-528 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 手術中, 長時間の同一体位で皮膚障害や末梢神経障害が起こることがある. 今回, 急性解離性大動脈解離の手術後に, 円座による長時間圧迫が原因と考えられた後頭神経障害をきたした症例の治療を経験した. 症例は55歳男性, 急性大動脈解離(Stanford A型)に対し, 人工血管置換術が施行された. 手術時間11時間, 麻酔時間12時間55分. 術後3日目より, 右後頭部から頭頂部の痛みを自覚し, NSAIDsを服用したが無効であった. 術後18日目よりカルバマゼピン200mg/日の内服を開始したが無効であった. 術後39日目の当科初診時, 右大後頭神経領域の痛み(VAS80mm), 知覚鈍麻, 円座の圧迫部位に一致した約10cm大の脱毛を認めた. 大後頭神経ブロックの施行, ガバペンチン600mg/日とバルプロ酸200mg/日の内服を開始, 痛みは軽減した(VAS30mm). その後も週1回の大後頭神経ブロックを行い, 4回目で痛みはほぼ消失(VAS5mm)した. 以上, 長時間手術後に生じた後頭神経痛に対して, 大後頭神経ブロック, 抗てんかん薬の併用が有効であった. また, 今回の経験から圧迫解除等の予防が重要であると考えられた. |
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ISSN: | 1340-4903 |