1. 硬膜外鎮痛法が有効であった, 肺腺癌がん性疼痛の1症例

「はじめに」:がん性疼痛の基本は薬物療法であるが, 経口摂取困難や疼痛コントロールが不十分な症例では, 神経ブロックの併用により, 質の高い治療が可能である. 今回, 肺癌の開胸術後疼痛に対し, 硬膜外ブロックを行い, 内服による疼痛コントロールへの移行をスムーズに行うことができた症例を経験したので報告する. 「症例」:57歳, 女性. 2008年5月左肺癌と診断され, 11/4開胸胸膜肺全摘出術が予定されたが, 腫瘍が臓側胸膜外に広範囲に浸潤しており, 試験開胸術で終了した. 術後硬膜外鎮痛を3日間施行し, その後オキシコンチン(TM)の内服を開始したが, 左胸部に締め付けられるような強い痛...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2010, Vol.17 (2), p.180-180
Hauptverfasser: 宮脇有紀, 佐野愛, 三木美津子, 別宮小由理, 中條浩介, 野萱純子, 白神豪太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」:がん性疼痛の基本は薬物療法であるが, 経口摂取困難や疼痛コントロールが不十分な症例では, 神経ブロックの併用により, 質の高い治療が可能である. 今回, 肺癌の開胸術後疼痛に対し, 硬膜外ブロックを行い, 内服による疼痛コントロールへの移行をスムーズに行うことができた症例を経験したので報告する. 「症例」:57歳, 女性. 2008年5月左肺癌と診断され, 11/4開胸胸膜肺全摘出術が予定されたが, 腫瘍が臓側胸膜外に広範囲に浸潤しており, 試験開胸術で終了した. 術後硬膜外鎮痛を3日間施行し, その後オキシコンチン(TM)の内服を開始したが, 左胸部に締め付けられるような強い痛みが出現したため, 11/10当科へ紹介となった. 再度硬膜外鎮痛を行い, 0.2%アナペイン(TM)+モルヒネ投与により痛みはほぼ消失し, オキシコンチン(TM)をいったん中止し, レスキューのオキノーム(TM)とテグレトール(TM)は継続した. その後, 11/19にガバペン(TM)を開始し, 11/20からオキシコンチン(TM)を再開し, 11/26硬膜外鎮痛を終了, 内服薬のみで疼痛コントロール可能となった. 「考察」:硬膜外鎮痛を行うことにより, 経口薬による疼痛コントロールへの移行がスムーズに行うことができたものと考える.
ISSN:1340-4903