終末期のモルヒネによるせん妄に対する複方オキシコドンへの一部オピオイドローテーションの有用性
静脈内モルヒネ投与によりせん妄が生じたと考えられる症例に対し,モルヒネ使用量を80%に減量し,残りの20%を複方オキシコドンに変更することでせん妄が改善するかどうかを検討した.緩和病棟入院中にモルヒネが主因でせん妄を生じた32名を対象に,モルヒネと一部変更した複方オキシコドンを患者自己調節鎮痛機器で投与した.変更前と3日後に,せん妄をMemorial Delirium Assessment Scale日本語版(MDAS-J)で,痛みをフェーススケール(FS)で,眠気をSchedule for Treatment Assessment Scale日本語版(STAS-J)で評価した.疼痛管理法を変...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2009/05/25, Vol.16(2), pp.153-157 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 静脈内モルヒネ投与によりせん妄が生じたと考えられる症例に対し,モルヒネ使用量を80%に減量し,残りの20%を複方オキシコドンに変更することでせん妄が改善するかどうかを検討した.緩和病棟入院中にモルヒネが主因でせん妄を生じた32名を対象に,モルヒネと一部変更した複方オキシコドンを患者自己調節鎮痛機器で投与した.変更前と3日後に,せん妄をMemorial Delirium Assessment Scale日本語版(MDAS-J)で,痛みをフェーススケール(FS)で,眠気をSchedule for Treatment Assessment Scale日本語版(STAS-J)で評価した.疼痛管理法を変更した2名と頭蓋内病変があった3名の計5名を除外し,27名で解析した.せん妄は21名で改善した.平均では,せん妄はMDAS-Jで16.2から9.2へ,痛みはFSで2.2から1.7へ,眠気はSTAS-Jで2.6から1.7に軽減した.無効例の変更後の生存期間は19.8日であった.モルヒネ使用中のせん妄では,モルヒネの20%を複方オキシコドンへ変更することは,予後を見極めたうえで,有用である. |
---|---|
ISSN: | 1340-4903 1884-1791 |
DOI: | 10.11321/jjspc.08-0007 |