9.線維筋痛症の除痛にリン酸コデインを用いた3例

線維筋痛症(FM)は, 原因不明の3ヵ月以上続く全身の筋肉痛で, 特徴的な圧痛点を有する. 疼痛はときとして激痛となり, 日常生活が行えなくなり, 寝たきりとなることもある. また, 強い疲労感や手指のしびれ, 頭痛, 記憶力障害を随伴する. 画像上も血液生化学検査上も異常値が少なく, とらえどころのない疾患である. 現在, 厚生労働省に特別研究班が設置され, 病因の解明が進められているが, 重症例での症状のコントロールは難しく, NSAIDsやステロイドに反応する例でも一過性の場合が多い. 筋硬結や萎縮を防止するためにストレッチを中心としたエクササイズが推奨されるが, 疼痛のためなかなか行え...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2006, Vol.13 (4), p.454-454
Hauptverfasser: 岡崎敦, 金井優典, 五十嵐海原, 一瀬麻紀, 工藤治, 秋山泰子, 飯塚弘隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:線維筋痛症(FM)は, 原因不明の3ヵ月以上続く全身の筋肉痛で, 特徴的な圧痛点を有する. 疼痛はときとして激痛となり, 日常生活が行えなくなり, 寝たきりとなることもある. また, 強い疲労感や手指のしびれ, 頭痛, 記憶力障害を随伴する. 画像上も血液生化学検査上も異常値が少なく, とらえどころのない疾患である. 現在, 厚生労働省に特別研究班が設置され, 病因の解明が進められているが, 重症例での症状のコントロールは難しく, NSAIDsやステロイドに反応する例でも一過性の場合が多い. 筋硬結や萎縮を防止するためにストレッチを中心としたエクササイズが推奨されるが, 疼痛のためなかなか行えない. 当院では, このFM患者の疼痛管理に麻薬性鎮痛薬であるリン酸コデインを用いている. 非がん性慢性疼痛患者に麻薬性鎮痛薬を用いるには多少とも注意が必要である. まず, 麻薬であることをきっちり伝えて承諾を得る. 効果が現われる最低量を選ぶ. FMを進行させないためには, 積極的に全身を使うことが重要であり, 麻薬による鎮痛は, リハビリテーションを積極的に進めるための手段であることを強調する. 今までに, FMと診断された3例にこれらの治療法を行い良好な経過を得ている.
ISSN:1340-4903