10. 足趾潰瘍を有する閉塞性動脈硬化症患者に対する硬膜外脊髄刺激療法
脊髄刺激療法(SCS)は難治性疼痛の治療法であり, 虚血痛には著効するといわれているが, 閉塞性動脈硬化症(ASO)患者の初診時には潰瘍を合併していることが多く, 虚血痛のみならずSCS抵抗性である侵害受容性疼痛が混在し, 疼痛コントロールに難渋する. 有痛性の足趾潰瘍をもつ, 血液透析中のASO症患者に対し, 各種神経ブロックや鎮痛薬を使用し, SCSに至った症例を報告する. 平成16年3月, 右第1趾に潰瘍が出現し, 潰瘍の拡大に伴って疼痛が増強し, ペインクリニックを受診した. 初診時, 潰瘍部の持続痛は除水の進行に伴って増強し, 十分な透析が困難な状態であった. 持続硬膜外鎮痛を行い,...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2005, Vol.12 (1), p.40-40 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 脊髄刺激療法(SCS)は難治性疼痛の治療法であり, 虚血痛には著効するといわれているが, 閉塞性動脈硬化症(ASO)患者の初診時には潰瘍を合併していることが多く, 虚血痛のみならずSCS抵抗性である侵害受容性疼痛が混在し, 疼痛コントロールに難渋する. 有痛性の足趾潰瘍をもつ, 血液透析中のASO症患者に対し, 各種神経ブロックや鎮痛薬を使用し, SCSに至った症例を報告する. 平成16年3月, 右第1趾に潰瘍が出現し, 潰瘍の拡大に伴って疼痛が増強し, ペインクリニックを受診した. 初診時, 潰瘍部の持続痛は除水の進行に伴って増強し, 十分な透析が困難な状態であった. 持続硬膜外鎮痛を行い, 潰瘍拡大傾向はなくなり, 除水時の疼痛は軽減し, 脊髄刺激トライアルを施行したところ歩行可能となり, 埋め込み術を行った. 侵害受容性疼痛に対しオピオイド, 虚血痛に対しSCSを併用することにより, 潰瘍合併PVDの疼痛コントロールの質の向上が期待される. |
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ISSN: | 1340-4903 |