2―056 腸腰筋膿瘍を伴った硬膜外膿瘍の1症例

【症例】83歳, 男性. 腰椎椎間板ヘルニアおよび脊柱管狭窄症による腰痛および下肢痛に対して, 硬膜外ブロックを月1回の頻度で施行していた. 5回目の腰部硬膜外ブロック後より下肢の痛みが増強したため, 精査加療目的にて入院となった. MRIにてL5椎体領域の右腸腰筋内に径4×3cm, L3, 4椎体領域の硬膜外に膿瘍の存在を確認したため, 抗生物質(1日PIPC 3g)の点滴投与を開始した. 腸腰筋内膿瘍に対してはCTガイド下にてドレナージを施行し, 術後6日間のドレーン内洗浄にて消失した. 硬膜外膿瘍も消失し, 30日後のMRIにて炎症を残すのみとなった. 増強した下肢疼痛症状はドレナージ後...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2004, Vol.11 (3), p.329-329
Hauptverfasser: 筒井雅人, 唐澤富士夫, 児玉光厳, 池田健彦, 大島 孝, 風間富栄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【症例】83歳, 男性. 腰椎椎間板ヘルニアおよび脊柱管狭窄症による腰痛および下肢痛に対して, 硬膜外ブロックを月1回の頻度で施行していた. 5回目の腰部硬膜外ブロック後より下肢の痛みが増強したため, 精査加療目的にて入院となった. MRIにてL5椎体領域の右腸腰筋内に径4×3cm, L3, 4椎体領域の硬膜外に膿瘍の存在を確認したため, 抗生物質(1日PIPC 3g)の点滴投与を開始した. 腸腰筋内膿瘍に対してはCTガイド下にてドレナージを施行し, 術後6日間のドレーン内洗浄にて消失した. 硬膜外膿瘍も消失し, 30日後のMRIにて炎症を残すのみとなった. 増強した下肢疼痛症状はドレナージ後から改善傾向を示し, 血液検査上, CRP 13.2mg/dlから0.4mg/dlと炎症所見も改善したため抗生物質を経口投与に切り替え, 40病日に退院となった. 【結語】腸腰筋膿瘍を伴った硬膜外膿瘍の1症例を経験した. ドレナージおよび抗生物質投与にて軽快した.
ISSN:1340-4903