2―051 血流改善後も残存した足趾痛に対し硬膜外脊髄刺激療法が奏効したバージャー病の一例

硬膜外脊髄刺激療法(以下SCS)は, 慢性難治性疼痛の中でも神経因性疼痛と同様に, 虚血性疼痛に対しても有効であることが認められている. 今回, バージャー病患者で, 腰部交感神経節切除により血流が改善したにもかかわらず残存した足趾痛に対し, SCSが奏効した症例を経験した. 【症例】52歳, 男性. バージャー病による右足の冷感, チアノーゼ, 浮腫および足趾の疼痛に対し, 循環改善薬, 抗血小板薬, 鎮痛薬を内服したが症状の改善が認められないため, 持続硬膜外ブロックを行ったところ, 症状が改善したため, エタノールを用いた腰部交感神経節ブロックを施行した. サーモグラフィーで皮膚温の上昇...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2004, Vol.11 (3), p.327-327
Hauptverfasser: 柴田茂樹, 長岡京子, 柴田伊津子, 津田 敦, 山口美知子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:硬膜外脊髄刺激療法(以下SCS)は, 慢性難治性疼痛の中でも神経因性疼痛と同様に, 虚血性疼痛に対しても有効であることが認められている. 今回, バージャー病患者で, 腰部交感神経節切除により血流が改善したにもかかわらず残存した足趾痛に対し, SCSが奏効した症例を経験した. 【症例】52歳, 男性. バージャー病による右足の冷感, チアノーゼ, 浮腫および足趾の疼痛に対し, 循環改善薬, 抗血小板薬, 鎮痛薬を内服したが症状の改善が認められないため, 持続硬膜外ブロックを行ったところ, 症状が改善したため, エタノールを用いた腰部交感神経節ブロックを施行した. サーモグラフィーで皮膚温の上昇が認められたが, 疼痛の改善は一時的であったため, 腰部交感神経節切除を行った. 術後, 皮膚温の上昇が続いていたが, 疼痛の軽減は持続しなかったため, トライアルで効果を確認した後, 電極を植え込みSCSを開始した. 足趾の痛みはNRSで10/10から4/10まで改善した. 血流が改善した後に疼痛が残った原因は明らかでないが, 若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:1340-4903