2―015 帯状疱疹後神経痛（PHN）に対するくも膜下ステロイド注入療法の効果

我々は, N Engl J Med 343 : 1514, 2000に発表された論文に基づき, PHN患者に対するくも膜下メチルプレドニゾロン注入療法を2001年9月から施行している. 今回現在までの当施設での治療成績から得られた知見を報告する. 【対象】PHN患者 40人（男：女18：22）, 年齢72±9.7歳, 罹患期間14±2.1ヶ月, 罹患期間1年以内 18症例, 罹患期間1年以上22症例. 【方法】脊椎麻酔の手技に準じて, 10％リドカイン 0.9ml, 10％ブドウ糖液 0.6ml, メチルプレドニゾロン 60mgの混合液をくも膜下腔に注入した. 4症例は呼吸器合併症を認めたため, 局所麻酔薬を使用せず, メチルプレドニゾロンのみの注入を行った. 週1回で4回を1クールとし, VASにより効果判定を行った. 治療開始時のVASと比較し, 75％以上の改善をExcellent, 50～75％の改善をGood, 25～49％の改善をFair, 25％以下の改善をPoorと判定した. 【結果】1クール終了後のVASは, Excellent（罹患期間1年以内／1年以上）6人／0人, Good 4人／4人, Fair 1人／7人, Poor 7人／11人であった. 帯状疱疹発症早期（1年以内）にくも膜下メチルプレドニゾロン注入を施行した患者の治療成績は良好であった.