1―121 区域麻酔で発生している致死的偶発症の現況~麻酔関連偶発症例調査1999~2002の解析結果より

【目的と方法】本邦の麻酔科認定病院において区域麻酔下に発生している危機的偶発症の現況を, 日本麻酔科学会が実施している麻酔関連偶発症例調査1999~2002の資料を用いて解析した. 【結果】全てが原因の心停止発生率ならびに死亡率(術後7日まで)は, 各々1.73, 0.72/10,000症例であった. 区域麻酔の方法による差は認められなかった. 心停止の原因としては, 「術中発症の病態」が最も多く, 40.7%を占めた. その内訳は, 多い順に肺塞栓重症不整脈冠虚血であり, この3者で79.5%を占めた. 「麻酔管理」が心停止の原因に占める割合は32.4%であり, 内訳としては高位脊髄くも膜下...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2004, Vol.11 (3), p.309-309
Hauptverfasser: 入田和男, 川島康男, 森田 潔, 瀬尾憲正, 巖 康秀, 津崎晃一, 讃岐美智義, 槇田浩史, 尾原秀史, 大村昭人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的と方法】本邦の麻酔科認定病院において区域麻酔下に発生している危機的偶発症の現況を, 日本麻酔科学会が実施している麻酔関連偶発症例調査1999~2002の資料を用いて解析した. 【結果】全てが原因の心停止発生率ならびに死亡率(術後7日まで)は, 各々1.73, 0.72/10,000症例であった. 区域麻酔の方法による差は認められなかった. 心停止の原因としては, 「術中発症の病態」が最も多く, 40.7%を占めた. その内訳は, 多い順に肺塞栓重症不整脈冠虚血であり, この3者で79.5%を占めた. 「麻酔管理」が心停止の原因に占める割合は32.4%であり, 内訳としては高位脊髄くも膜下麻酔が60%を占めた. 麻酔管理が原因の心停止発生率ならびに死亡率は, 各々0.56, 0.03/10,000症例であった. 【結論】麻酔法として区域麻酔を選択する場合には, 高位脊髄くも膜下麻酔を回避すること, ならびに肺血栓塞栓症のリスクの高い股関節四肢の手術症例が対象となることに留意する必要がある. なお, 区域麻酔にともなう神経損傷については, 現調査では不明であるが, 2004年から危機的偶発症とともに調査が開始される.
ISSN:1340-4903