1―110 難渋するクローン病患者の疼痛コントロールからみたPCAポンプの功罪
PatientControlled Analgesia(PCA)は通常は持続投与に加えて, 患者がPCAボタンを押すことで設定された量の薬剤の追加投与できるので, 各患者に合わせた鎮痛薬の投与ができる. 症例は31歳, 男性. 16歳時にクローン病を発症し, 複数回の外科的処置を受けていた. 腹壁には複数の外瘻があった. 新たに十二指腸球部から腹部正中手術創上部に瘻孔を形成し, 排液時に瘻孔周囲に強い痛みが生じた. IVHポートが埋め込まれていたこと, 内服では腸瘻から薬剤が排出し効果がなく座剤や硬膜外での薬剤投与をいやがることから, 輸液ポンプでの塩酸モルヒネとケタミンの持続静注を開始し,...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2004, Vol.11 (3), p.305-305 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | PatientControlled Analgesia(PCA)は通常は持続投与に加えて, 患者がPCAボタンを押すことで設定された量の薬剤の追加投与できるので, 各患者に合わせた鎮痛薬の投与ができる. 症例は31歳, 男性. 16歳時にクローン病を発症し, 複数回の外科的処置を受けていた. 腹壁には複数の外瘻があった. 新たに十二指腸球部から腹部正中手術創上部に瘻孔を形成し, 排液時に瘻孔周囲に強い痛みが生じた. IVHポートが埋め込まれていたこと, 内服では腸瘻から薬剤が排出し効果がなく座剤や硬膜外での薬剤投与をいやがることから, 輸液ポンプでの塩酸モルヒネとケタミンの持続静注を開始し, 突出痛が生じた際には追加分を静注した. 追加要求が頻回になり投与量が増えたことや, 麻薬の安全管理, 要求回数や投与時間の把握のためにPCAポンプでの投与に変更した. 一日最大投与量を参考にして, 次回の最大投与可能な量を増減した. 塩酸モルヒネ一日投与量を半分以下に減量できた. 追加投与の時間や回数が記録に残るので, 痛みが増強する時間帯を把握できた. 一方, 要求時や追加投与時に患者の訴えが医療従事者に伝わらず, 患者が不満を感じることがあった. |
---|---|
ISSN: | 1340-4903 |