1―083 帯状疱疹治療中に間質性肺炎が明らかになった2症例

帯状疱疹発症を契機に間質性肺炎が明らかとなった2症例を報告する. 【症例1】50歳, 女性. 左胸背部に帯状疱疹を発症し, 近医でアシクロビルの点滴を受けたが, 痛みが残存するため, 硬膜外ブロック治療を目的に入院した. カテーテル挿入の2日後より38.5℃の発熱を認めたため, 硬膜外膿瘍の可能性を考え, カテーテルを抜去した. しかし, 神経症状や発熱以外に明らかな感染所見がなかったため, 他の原因検索をした. 胸部X線像で左下肺野にわずかなスリガラス状陰影を認め, 胸部CTで間質性肺炎が疑われ, 強皮症に合併する間質性肺炎と診断された. 【症例2】79歳, 女性. 右C2領域に帯状疱疹を発...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2004, Vol.11 (3), p.296-296
Hauptverfasser: 菅 涼子, 小金丸美桂子, 崎眞弓
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:帯状疱疹発症を契機に間質性肺炎が明らかとなった2症例を報告する. 【症例1】50歳, 女性. 左胸背部に帯状疱疹を発症し, 近医でアシクロビルの点滴を受けたが, 痛みが残存するため, 硬膜外ブロック治療を目的に入院した. カテーテル挿入の2日後より38.5℃の発熱を認めたため, 硬膜外膿瘍の可能性を考え, カテーテルを抜去した. しかし, 神経症状や発熱以外に明らかな感染所見がなかったため, 他の原因検索をした. 胸部X線像で左下肺野にわずかなスリガラス状陰影を認め, 胸部CTで間質性肺炎が疑われ, 強皮症に合併する間質性肺炎と診断された. 【症例2】79歳, 女性. 右C2領域に帯状疱疹を発症し, 近医でバラシクロビルの投与を受けていたが, 痛みが強いため, 星状神経節ブロック治療を目的に入院した. 入院時診察で吸気時にラ音を聴取し, 胸部X線像で両肺底部にhoneycomb様の所見を認めたため精査し, 特発性間質性肺炎と診断された. 【結語】帯状疱疹発症の背景には様々な原因があり, 悪性疾患の精査だけでなく, 慢性肺疾患の精査も必要であると思われる.
ISSN:1340-4903