10.硬膜外脊髄刺激が奏効した神経因性筋筋膜疼痛症候群の2症例

硬膜外脊髄刺激療法は神経因性疼痛が主な適応疾患と考えられている. 今回, 我々は頸椎症から生じた神経因性の筋筋膜性疼痛に対し, 硬膜外脊髄刺激療法を行い, 良好な除痛効果を得たため報告する. 症例1:60歳, 男性. 勤務中に2mの高さより転落し, 頸随不全損傷となった. 受傷後より, 両上肢のしびれと脱力感が出現. また, 後頸部から肩にかけての針を刺されるような痛みを自覚するようになった, 触診で頸部の硬結を認めた. 内服治療と神経ブロック療法を行ったが, 効果がなかったため, 硬膜外脊髄刺激装置を埋め込んだ. 硬膜外脊髄刺激療法開始後, VASは5.5/10から2/10となった, 症例2...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2003, Vol.10 (4), p.533-534
Hauptverfasser: 矢野都子, 菅 涼子, 宇野武司, 高崎眞弓, 米山 匠, 脇坂信一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:硬膜外脊髄刺激療法は神経因性疼痛が主な適応疾患と考えられている. 今回, 我々は頸椎症から生じた神経因性の筋筋膜性疼痛に対し, 硬膜外脊髄刺激療法を行い, 良好な除痛効果を得たため報告する. 症例1:60歳, 男性. 勤務中に2mの高さより転落し, 頸随不全損傷となった. 受傷後より, 両上肢のしびれと脱力感が出現. また, 後頸部から肩にかけての針を刺されるような痛みを自覚するようになった, 触診で頸部の硬結を認めた. 内服治療と神経ブロック療法を行ったが, 効果がなかったため, 硬膜外脊髄刺激装置を埋め込んだ. 硬膜外脊髄刺激療法開始後, VASは5.5/10から2/10となった, 症例2:65歳, 男性. 脊柱管狭窄症に対し, 頸椎椎弓切除術を施行. 術後より, 後頸部から肩と左上肢にかけての押しつぶされるような痛みが出現し, 日常生活動作を行うこともできなかった. 触診で後頸部から肩にかけての硬結を認めた. 内服治療と神経ブロック療法を行ったが, 効果がなかったため, 硬膜外脊髄刺激装置を埋め込んだ. VASは7.5/10から2.5/10となり, 洗顔, 食事等の動作を行うことも可能となった. 結論:硬膜外脊髄刺激療法は, 神経因性疼痛に有効であると考えられている. 今回, 神経因性の筋筋膜性疼痛に用い, 良好な除痛効果を得ることができた.
ISSN:1340-4903