1-B-103 疼痛部位が拡大し難治性上下肢痛をきたした2症例
難治性疼痛患者では疼痛部位が拡大し診断, 治療に難渋することも多い. 今回片側性上下肢痛をきたした2症例を報告する. 【症例1】58歳男性. 誘因無く右足趾痛が生じ徐々に増強, 大腿部に局所のブロックを行った際から激痛となった. 他院で腰部交感神経節ブロックを施行後更に増悪し, allodyniaを伴う拍動痛となり, 同時期より右上肢に疼痛が拡大した. ドラッグチャレンジテストではフェントラミンで増悪した. 交感神経非依存性疼痛と考え, 薬物療法と心療内科によるサポートを行っている. 【症例2】40歳男性. 腰椎手術後も右下肢痛, 腰痛が改善せず, その頃から右上肢痛が生じてきた. 再手術を行...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2003, Vol.10 (3), p.363-363 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 難治性疼痛患者では疼痛部位が拡大し診断, 治療に難渋することも多い. 今回片側性上下肢痛をきたした2症例を報告する. 【症例1】58歳男性. 誘因無く右足趾痛が生じ徐々に増強, 大腿部に局所のブロックを行った際から激痛となった. 他院で腰部交感神経節ブロックを施行後更に増悪し, allodyniaを伴う拍動痛となり, 同時期より右上肢に疼痛が拡大した. ドラッグチャレンジテストではフェントラミンで増悪した. 交感神経非依存性疼痛と考え, 薬物療法と心療内科によるサポートを行っている. 【症例2】40歳男性. 腰椎手術後も右下肢痛, 腰痛が改善せず, その頃から右上肢痛が生じてきた. 再手術を行ったがリハビリを始めると疼痛再発した. 主に右半身関節周囲の筋, 腱, 靭帯と両側背部に30ヶ所以上の圧痛点を認めた. 右足背のallodyniaと2℃の温度差, 色調変化があるため, CRPSに片側性の重症筋筋膜性疼痛を併発していると考えられる. 【結論】疼痛の拡大は, 痛む部位をかばう動作や負担の増大, 痛覚閾値の低下, 脊髄レベルの感作などが要因と考えられ, 一旦発症すると軽快しにくい. 難治性疼痛患者では治療と共に, 根気強い患者教育や多方面からのアプローチが必要と思われた. |
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ISSN: | 1340-4903 |