1-A-59 帯状疱疹後神経痛? 実は肺癌であった一症例

【はじめに】他院にて難治性帯状疱疹後神経痛と診断され, 当院紹介後, 肺癌による胸部痛が明らかになった症例を経験した. 【症例】78歳男性. 平成3年, 左胸部に帯状疱疹を発症. 内服薬にて皮疹, 疼痛共に軽快した. 平成14年12月末より, 左側胸部痛が出現し徐々に増悪してきた. 近医で帯状疱疹後神経痛と診断され, 入院治療を受けた. 症状の改善はなくむしろ徐々に増悪してきた. 平成15年2月28日, 疼痛管理目的で当科を受診し, 緊急入院となった, 入院時現症では, 全身倦怠感が強く左Th5, 6レベルに皮膚の色素沈着を認め, 疼痛の部位はそれより, 1~2分節尾側であった. 持続硬膜外ブ...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2003, Vol.10 (3), p.348-348
Hauptverfasser: 冨永昌宗, 安田哲二郎, 中嶋保則, 菅井 実, 泉 薫, 児玉謙次, 高橋成輔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】他院にて難治性帯状疱疹後神経痛と診断され, 当院紹介後, 肺癌による胸部痛が明らかになった症例を経験した. 【症例】78歳男性. 平成3年, 左胸部に帯状疱疹を発症. 内服薬にて皮疹, 疼痛共に軽快した. 平成14年12月末より, 左側胸部痛が出現し徐々に増悪してきた. 近医で帯状疱疹後神経痛と診断され, 入院治療を受けた. 症状の改善はなくむしろ徐々に増悪してきた. 平成15年2月28日, 疼痛管理目的で当科を受診し, 緊急入院となった, 入院時現症では, 全身倦怠感が強く左Th5, 6レベルに皮膚の色素沈着を認め, 疼痛の部位はそれより, 1~2分節尾側であった. 持続硬膜外ブロックで疼痛は著明に改善したが, 疼痛の部位と色素沈着部位が一致しないこと, 病歴上, 一度治癒していた痛みの再発などから, 帯状疱疹後神経痛というよりも肺病変を強く疑い, 胸写, 及び胸部CT検査で, 左肺に進行癌が見つかった. 化学療法や手術療法の適応はなく家族の希望もあり自宅での疼痛治療を行うこととなった. 【考察】紹介患者を診察する場合, 前医の診断に囚われがちであるが, 痛みを診断する際は新鮮な目で患者の問診と診察をすることが, 重要であると再認識した.
ISSN:1340-4903