1-A-58 がん患者における腰痛の問題点~骨転移と骨粗鬆症の鑑別診断の難しさ

【はじめに】がん患者の腰痛から転移性骨腫瘍を疑う場合, 骨粗鬆症との鑑別は画像診断上困難なことが多い. 症例を呈示し, 診断の限界と治療の選択について考察する. 【症例1】78歳, 女性, 肺がん:原発巣に対し化学療法および放射線治療(放治)施行中, 腰痛出現. 仙骨転移と診断, 同部に放治開始. 腰椎X線写真(LXp)で高度変形, 骨シンチで陽性なるも, CTでは骨転移の所見なく, 骨粗鬆症と診断. 放治中止しNSAIDs中心に治療するも鎮痛不良, 2ヶ月後全身衰弱し死亡. 【症例2】76歳, 女性, 胃がん:胃全摘2年後腰痛出現, LXpで腰椎変形, 骨シンチで陽性なるも, CTでは骨腫瘍...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2003, Vol.10 (3), p.348-348
Hauptverfasser: 佐野隆信, 末永和之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】がん患者の腰痛から転移性骨腫瘍を疑う場合, 骨粗鬆症との鑑別は画像診断上困難なことが多い. 症例を呈示し, 診断の限界と治療の選択について考察する. 【症例1】78歳, 女性, 肺がん:原発巣に対し化学療法および放射線治療(放治)施行中, 腰痛出現. 仙骨転移と診断, 同部に放治開始. 腰椎X線写真(LXp)で高度変形, 骨シンチで陽性なるも, CTでは骨転移の所見なく, 骨粗鬆症と診断. 放治中止しNSAIDs中心に治療するも鎮痛不良, 2ヶ月後全身衰弱し死亡. 【症例2】76歳, 女性, 胃がん:胃全摘2年後腰痛出現, LXpで腰椎変形, 骨シンチで陽性なるも, CTでは骨腫瘍の所見なく, 骨粗霧症と診断. NSAIDsと理学療法にて改善. 【症例3】75歳, 女性, 胃がん:胃全摘7年後腰下肢痛出現, 骨粗鬆症の診断で治療. 2年後骨シンチで陽性. LXpでは圧痛著明なL1が変形. MRIではL5, Sのみ転移所見著明だが, L1の骨転移は否定できず, 放治施行. 腰痛軽減するも, 2ヶ月後全身衰弱し死亡. 【考察】転移性骨腫瘍の診断は理学所見と複数の画像検査から, 慎重に検討する必要がある. 患者のQOLを配慮した治療計画をたてるべきである.
ISSN:1340-4903